講座・スクール・サロン・オンラインサービスを提供する事業者の方へクーリング・オフを、
判定から清算まで事業者の側から
講座、スクール、サロン、オンラインサービス。申込みを受けて料金を受け取る事業では、クーリング・オフが使える取引かどうかを、取引の類型に当てはめて判断する必要があります。訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、通信販売のどれに当たるかは、事業の名前や販売の呼び方ではなく、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の種類と期間・金額で決まります。セミナー会場での当日申込み、通話での勧誘、フォームだけの申込みが、一つの事業の中に併存していることも珍しくありません。類型が決まると、契約書面や概要書面に書くこと、赤枠の書き方、書面を電子メールで交付するときの承諾の取り方、8日・20日の数え方、通知を受け取ったあとの返金と記録、クーリング・オフ後の清算、特定継続的役務の中途解約の上限、「返金しない」と書いた規約が無効になる場面、分割払いやクレジット払いのときの割賦販売法、勧誘の前に告げること、広告やLPの表示までが、順につながっていきます。このガイドは、サービスを提供する事業者の側から、判定・書面・期間と通知・清算・運用の順に、特定商取引法・同施行令・同施行規則、消費者契約法、割賦販売法の条文と、消費者庁・国民生活センターの公表資料をもとに整理した解説です。業種ごとの詳しい事情は、各業種のガイドの記事へ案内しています。消費者の側からの取消しや返金の請求の方法は、このガイドでは扱いません。
取引の類型を見分けたい方

勧誘の場所・手段・役務の種類から、順番に当てはめる
クーリング・オフが使えるかどうかは、事業の名前や販売の呼び方ではなく、取引の実態で決まります。勧誘された場所、勧誘や申込みの手段、役務の種類と期間・金額を、決まった順番で当てはめていきます。
セミナー会場での当日申込み、通話での勧誘、フォームだけの申込みが一つの事業に併存することも多く、導線ごとに類型が変わります。オンライン講座やコーチングで、Web会議や通話を使った勧誘がどう扱われるかも、このガイドで整理しています。
契約書面・概要書面を整えたい方

記載事項・赤枠・電子交付・不備があるとき
契約書面と概要書面には、取引の類型ごとに、法令で決まった記載事項があります。民事の契約書に条項を足すだけでは、担当者の氏名や契約年月日、購入が必要な商品などが抜けることがあります。
クーリング・オフに関する事項は、赤枠の中に赤字で、8ポイント以上の文字で書きます。電子メールやPDFで交付するときは、承諾の取り方と、承諾を得たことを証する書面の扱いまで決めておく必要があります。書面に不備があると、クーリング・オフの期間が始まらない場面もあります。
期間と通知への対応を決めたい方

8日・20日の数え方と、通知を受けたあとの動き
クーリング・オフの期間は、書面を受け取った日を含めて数えます。通知の効力は、通知を発した時に生じます。数え方を誤ると、返金に応じるべき申出を、期間外として断ってしまうことになりかねません。
メールやLINE、専用フォームでの通知をどこまで受け付けるか、受け取ったあとに何を記録し、いつまでに返金するかも、運用の中で決めておく項目です。
返金・清算の条件を決めたい方

解除後の清算、中途解約の上限、「返金しない」規約
クーリング・オフでは、損害賠償や違約金、提供済みの役務の対価を請求できません。特定継続的役務の中途解約には、役務ごとに政令の上限があります。「返金しない」「解約不可」と書いても、これらに反する消費者に不利な定めが無効になる場面があります。
分割払いやクレジット払いを採ると、割賦販売法の書面や表示、カード会社への連絡の手順も必要になります。
勧誘と広告を見直したい方

勧誘前の明示、再勧誘の禁止、LPと最終確認画面
勧誘を始める前に事業者名や勧誘の目的を告げること、契約しない意思を示した人に勧誘を続けないことは、取引の類型ごとに法律が定めています。解約の相談にどう答えるかも、不実告知や威迫にならないように決めておく必要があります。
広告やLPで「いつでも解約OK」と書くなら、規約・特定商取引法に基づく表記・申込みの最終確認画面と内容がそろっていなければなりません。通信販売には、返品の特約の表示についての定めもあります。
公的な事例と社内の記録を知りたい方

行政処分と相談事例の型、申込みから清算までの記録
消費者庁や都道府県が公表する行政処分では、書面の記載不備や不交付、解除に関する不実告知、勧誘目的の不明示といった違反の型が繰り返し出てきます。国民生活センターの相談件数や事例も、事業者の側から見ると、どこで行き違いが起きやすいかを示しています。
申込みから清算までの各段階で何を記録しておくかは、書面を交付した日や承諾の記録など、後から確かめられるかどうかに直結します。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
クーリング・オフは通信販売でも使えますか?
通信販売には、クーリング・オフの規定がありません。そのかわり、商品や特定権利については、特定商取引法15条の3により、広告に返品できない旨の特約を表示していなければ、引渡しを受けた日から8日以内は申込みの撤回や解除ができます。役務の通信販売は15条の3の対象外です。また、通話で勧誘して申込みだけをフォームで受けるなど、実態が電話勧誘販売であれば、通信販売ではなくクーリング・オフの規定が働きます(確認日:2026年10月22日、e-Gov法令検索・消費者庁「特定商取引法ガイド」)。
クーリング・オフの期間は何日で、いつから数えますか?
訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入は8日、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日です。起算は、法律で決まった書面を受け取った日からで、消費者庁の逐条解説は、受け取った日を含めて数えると説明しています。通知の効力は、通知を発した時に生じます。書面を交付していない場合や、重要な事項が欠けた書面の場合は、起算日が来ないものとして、クーリング・オフができる期間が続くと説明されています(確認日:2026年10月22日)。
オンライン講座の勧誘をWeb会議で行うと、電話勧誘販売になりますか?
消費者庁のQ&Aは、インターネット回線を使った通話(映像を伴う場合を含む)も、特定商取引法の「電話」にあたるとしています。事業者が会議ツールのURLを送って通話をする場合は、「電話をかけ」にあたると説明されています。その通話で契約の勧誘をして、申込みをフォームやメールで受けても、電話勧誘販売の範囲に入りえます。導線ごとの整理は、このガイドの判定の記事で扱っています(確認日:2026年10月22日)。
「返金しない」と規約に書けば、クーリング・オフを断れますか?
断れません。クーリング・オフに関する規定に反する、購入者に不利な特約は無効です(特定商取引法9条8項・24条8項・48条8項)。解約の相談に「事業主として見ているのでクーリング・オフはない」「返金しない」と告げて解除を妨げると、不実告知や威迫にあたり、行政処分の対象になった例があります。クーリング・オフ後の清算や、「返金しない」規約が無効になる場面は、このガイドの清算の記事で扱っています(確認日:2026年10月22日)。
事業者名義や個人事業主の申込みでも、クーリング・オフの対象になりますか?
営業のために、または営業として結ぶ契約は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の規定の適用除外です(特定商取引法26条1項1号)。ただし、消費者庁の逐条解説は、事業者名や法人であることだけで一律に除外されるわけではなく、実質が個人用なら原則として適用され、利益を得る意思があるだけでは直ちに除外されない、と説明しています。取引の種類、利益活動との関連、必要な設備の準備状況などから、その取引に習熟しているかを総合して判断します(確認日:2026年10月22日)。
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作成実績
契約書作成 年間1,000通以上・累計5,000通以上(2026年10月時点)
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月22日