このページの要点
- 通知は理由の説明や事業者の同意を要さず、発信の時に効力を生じます。受け取った事実を確かめ、受付の連絡を出します。
- 損害賠償・違約金、提供済みの役務の対価、その他の金銭は請求できません。引取りの費用は事業者の負担です。
- 返金は「速やかに」で、法定の日数はありません。独自の日数は運用の例にとどめ、差し引きは避けます。
- 窓口を一本にまとめ、営業担当に説得させず、原本・受領日時・受付連絡・返金の記録を残します。
結論:受け取ってからの動きは「受付・特定・返金・記録」、条件は付けません
クーリング・オフの通知が届いたとき、事業者に求められる動きは、実はそれほど複雑ではありません。通知を受け付け、どの契約かを特定し、受け取っている金銭を返し、その経過を記録します。複雑になるのは、ここに「事業者の都合」を混ぜたときです。返金の期限を自社の締め日に合わせる、振込手数料を差し引く、返金の前に合意書への署名を求める、といった条件は、いずれも条文の方向と合いません。
クーリング・オフは、期間内であれば、契約者が理由を述べなくても行えます。条文は、書面または電磁的記録による通知を発すれば足りるとしており(特定商取引法9条1項、24条1項、48条1項)、理由や事情の説明、事業者の同意を要件にしていません。そのうえで、通知を発した時に効力が生じます(9条2項など)。ですから、事業者の役割は、有効かどうかを争う前に、事実を確認し、法が定める効果を実現することです。
通知を受け取ってからの流れ
| 段階 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1 受領 | 通知の原本(封筒・メール・フォームの受付データ)を保全し、受領日時と発信日時を記録する | 期間内か、どの手段で来たかを後から示せるようにする |
| 2 受付連絡 | 受け付けた旨を、通知と同じ手段または連絡先で知らせる | 「送った」「届いていない」の食い違いを防ぐ |
| 3 契約の特定 | 氏名・契約年月日・商品や役務の名称・金額などで、どの契約かを確認する | 返金の対象を誤らない |
| 4 返金 | 受領している金銭を、速やかに、差し引かずに返す。引渡し済みの商品があれば、引取りの段取りを事業者の負担で決める | 9条4項から6項などの効果を実現する |
| 5 記録 | 返金の日・金額・方法、連絡の経過を保存する | 後日の確認と、決済会社からの照会に備える |
期間内かどうかの判断は期間の数え方で、書面に不備があるときの扱いは書面の不備と期間で扱います。この記事は、期間内の通知を受け取った後の動きに絞ります。
通知が届いた直後にすること
受け付けた旨を連絡する
消費者庁の特定商取引法ガイドのQ&Aは、電磁的記録によるクーリング・オフを受けた事業者は、受け付けた旨を電子メールなどで連絡することが望ましいと説明しています。理由は、「送った」「届いていない」という食い違いを防ぐためです。クーリング・オフの効力は発信の時に生じますから、通知を出したかどうか、いつ出したかが争いになりやすく、受付の連絡が、事実を確かめる手がかりになります。
書面の通知でも同じです。郵便で受け取ったときは、受け取った日と、封筒の消印を記録し、受け付けた旨を電話や郵便、メールで知らせます。連絡に、返金について事業者の条件をつけ足す必要はありません。まず、受け取った事実を知らせるだけで足ります。
受付の連絡に入れる項目
- 通知を受け取った日時と、通知の手段(郵便・電子メール・フォームなど)
- 対象の契約を特定できる情報(氏名、契約年月日、商品や役務の名称)。通知の内容と合っているかの確認
- 今後の手順(返金の方法、返金の時期の見込み、引取りが必要な商品があるときの段取り)
- 連絡先と、問い合わせの窓口
- 返金のために追加で必要な情報(返金先の口座など)があれば、その旨と、通知の効力とは関係がないこと
連絡の文面に入れてはいけないものもあります。理由の聞き取りを返金の前提にすること、考え直すよう促すこと、期間が過ぎているかのように読める表現、提供済みの分の対価を請求する可能性を示すことです。これらは、言い方によっては、解除を妨げる言動として、不実の告知や威迫の問題になりえます(6条、21条、44条)。詳しくはクーリング・オフの妨害と期間延長で扱います。
契約を特定する
通知には、契約を特定できる情報が十分に書かれていないことがあります。特に電子的な通知は短いことが多く、氏名とメールアドレスだけ、ということもあります。その場合も、通知として受け付けたうえで、事業者の側の記録(申込みの記録、決済の記録、書面の交付記録)から契約を探します。特定できない部分は、受付の連絡の中で、追加の情報を尋ねます。このとき、情報が足りないことだけを理由に、通知を受け付けないものとして扱うことはしません。
通知の文面に「クーリング・オフ」という言葉がないこともあります。「解約したい」「契約をなかったことにしたい」という書き方です。条文は、特定の文言を通知の要件としていません。期間内の通知であれば、契約を白紙に戻す趣旨がどこまで読み取れるか、まず確認します。この扱いを正面から示した資料は確認できていませんが、「解約」の語だけを理由に、クーリング・オフの通知ではないと扱う根拠も見当たりません。通常の解約か、クーリング・オフか、特定継続的役務の中途解約かで、清算のルールが大きく変わるため、通知の趣旨の確認は、受付連絡のなかで行います。中途解約の清算は中途解約と損害賠償・違約金の上限にあります。
電話や口頭で申し出があったとき
条文の方式は「書面又は電磁的記録」で、口頭の申出だけで効力が生じるかは、確認した資料では明示されていません。この扱いは断定せず、運用の考え方だけを書きます。電話などで解約の申出があったときは、申出を断らず、申出の日時と内容を記録し、書面または電磁的記録で通知できる受付先を案内します。案内の際は、受付先を示すことにとどめ、「書面でなければ受け付けない」と告げて、契約者を遠ざける言い方は避けます。受付方式の設計はメール・LINE・フォームでの通知の扱いで扱います。
条文が定める効果:請求できないもの、返さなければならないもの
クーリング・オフが成立したとき、事業者に生じる義務と、事業者ができなくなることは、訪問販売の9条、電話勧誘販売の24条、特定継続的役務提供の48条に定められています。三つの類型の規定は、ほぼ同じ形で並んでいます。
クーリング・オフの効果(事業者の側から見た整理)
| 効果 | 条文(訪問販売/電話勧誘販売/特定継続的役務提供) | 事業者の対応 |
|---|---|---|
| 損害賠償・違約金を請求できない | 9条3項/24条3項/48条4項 | キャンセル料、違約金、事務手数料などの名目で請求しない |
| 商品の使用利益、提供済み役務の対価、その他の金銭を請求できない | 9条5項/24条5項/48条6項 | 役務を提供し終えていても、対価を請求しない |
| 引渡し済みの商品・権利の引取り・返還の費用は事業者の負担 | 9条4項/24条4項/48条5項 | 返送の費用を契約者に負担させない |
| 役務に関連して受領した金銭は、速やかに返還する | 9条6項/24条6項/48条7項 | 返金を遅らせない。差し引かない |
| これらに反する、契約者に不利な特約は無効 | 9条8項/24条8項/48条8項 | 契約書や規約に、これに反する定めを置かない |
特定継続的役務提供では、関連商品の販売契約も同じ扱いになります(48条2項)。関連商品の扱いと清算はクーリング・オフ後の清算で扱います。
注意したいのは、9条5項などの「その他の金銭」という表現です。条文は、対価と並べて「その他の金銭」の請求を禁じており、名目を限定していません。クーリング・オフに伴って請求しようとする性質の金銭であれば、「事務手数料」「登録料」「キャンセル料」といった名目をつけても、この条文と、損害賠償・違約金の禁止(9条3項など)の両方にかかるおそれが大きい、と見ておくべきです。
もう一つ、規則には、不実の告知や威迫のあとに交付する書面の記載事項として、商品の売買で代金が支払われているときは、販売業者は申込者等に対し、速やかに、その全額を返還する、と定められています(規則22条1項4号、66条1項4号)。通常のクーリング・オフでも、返還の考え方は同じ方向だと理解して、運用を作るのが無理のない読み方です。
返金の期限・方法・差し引き
期限:条文は「速やかに」、日数は定めていません
返金の期限について、条文は「速やかに」と書いています(9条6項、24条6項、48条7項)。何日以内という法定の日数は、確認した条文にはありません。ですから、「通知の受領から30日以内に返金する」のような定めを、法定の期限であるかのように書くのは正確ではありません。独自の日数を社内基準にするなら、「運用の例」として扱い、「速やかに」の範囲を超えない設計にします。
実務では、月末の一括払いの日まで待たせる、経理の確認が終わるまで保留する、といった自社の事情で返金が遅れがちです。「速やかに」は、事業者の内部の都合ではなく、返金できる状態になったかどうかで見られます。受領した金銭の特定ができ、決済の取消しや返金の手続ができる状態になったなら、締め日を待たずに手続を進めます。
返金の手続に関する定め(社内基準・契約書の例)
- 甲は、乙からクーリング・オフの通知を受け付けたときは、受け付けた旨を乙に連絡する。
- 甲は、乙から受領した金銭を、遅滞なく、乙が支払に用いた方法に従って返還する。返還に要する費用は、甲が負担する。
- 甲は、前項の返還にあたり、手数料その他の名目で、返還額から差し引かない。
- 引渡し済みの商品の引取りに要する費用は、甲が負担する。
契約者に示す書面のクーリング・オフに関する事項は、法定の様式で、赤枠の中に赤字で記載します。この例は、返金の運用を社内で揃えるためのものです。契約書に置くときは、条文の定めより契約者に不利にならないようにします。
方法:支払に使った手段で戻すのが原則的な考え方
返金の方法は、受け取った方法に合わせるのが分かりやすい考え方です。カードで受け取ったなら、カード会社を通じた取消しや返金の処理、銀行振込なら、返金先の口座への振込みです。決済代行会社を使っている事業は、取消しや返金の手順(誰が、どの画面で、どの期限までに処理するか)を、あらかじめ確認しておきます。通知が来てから決済会社の手順を調べると、それだけで返金が遅れます。
決済の方法ごとの、返金で確かめること
| 支払の方法 | 返金の考え方 | 確かめること |
|---|---|---|
| クレジットカードの一括払い | カード会社を通じた取消し・返金の処理 | 売上の確定前後で手順が違うか、決済代行会社の窓口と期限 |
| クレジットカードの分割払い・ローン | 支払先が事業者以外にもある。別に整理が要る | 分割やローンの契約の扱いは分割払い・カードのクーリング・オフで確かめる |
| 銀行振込 | 返金先の口座への振込み | 返金先の確認方法と、手数料を事業者が負担すること |
| コンビニ・電子マネーなどの決済 | 決済会社の返金の仕組みに従う | 返金に対応できる決済か、対応できない場合の代替の手段 |
| 現金の手渡し | 現金または振込みでの返還 | 領収の記録と、返還した記録 |
返金が遅れると、契約者がカード会社に申し出る場面が生じえます。決済トラブルとの関係は、チャージバック・不正利用の対応と規約とネットショップの決済トラブルに、返金の手続の設計は返金の手続・期限・控除できる費用の決め方にあります。
差し引き:条文に、差し引きを認める規定は確認できません
振込手数料や事務の実費を、返金から差し引いてよいか。これは、よく聞かれる点です。確認した条文には、返金から差し引くことを認める規定はなく、むしろ、対価その他の金銭を請求できないこと、これに反する特約は無効であることが定められています。返金から差し引くことは、実質的に「その他の金銭」を請求することと同じ結果になるため、避けるのが安全です。振込手数料を事業者が負担するかどうかは、条文に明示がありません。差し引く旨の定めを置いて契約者に不利になるなら無効となるおそれがあるため、事業者負担にしておくのが、無用な争いを避ける運用です。
書き方の例(一般的な例) 返金をめぐる、よくある書き方と整えた書き方
返金の額
理由対価その他の金銭を請求できないこと、不利な特約が無効であることと矛盾します。
返金の時期
理由条文は「速やかに」です。自社の支払日に合わせると、遅れる原因になります。
返金の条件
理由通知の効力は、通知を発した時に生じます。事業者の合意や署名を要件にする根拠はありません。
提供済みの役務
理由9条5項などが、提供済みの役務の対価の請求を禁じています。
場面ごとの見立て
ここまでの条文を、事業者が実際に出会う場面に当てはめると、次のようになります。場面ごとに、確認できる見立てと対応の方向を並べます。
場面ごとの見立てと対応の方向
| 場面 | 見立て | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 期間内の通知で、代金は全額入金済み | 受領した金銭を返す対象になる | 受付の連絡のあと、差し引かずに返金の手続へ進む |
| すでに役務の一部を提供している | 提供済みの対価は請求できない(9条5項など) | 提供の有無にかかわらず、受領した金銭を返金する |
| 教材や商品を発送済み | 引取り・返還の費用は事業者の負担(9条4項など) | 引取りの段取りを事業者が手配し、費用を契約者に負担させない。特定継続的役務の関連商品には使用・消費の例外があり、別の記事で扱う |
| 通知の発信日が期限日の翌日以降に見える | 効力は発信の時に生じる | 発信日の記録を確かめるまで、期間外と扱わない |
| 契約書面に不備があった契約 | 起算日が来ていない可能性がある | 期間の経過を前提にしない |
| 分割払いやローンで支払っている | 支払先が事業者以外にもある | 事業者側の返金に加え、分割やローンの契約をどう整理するかを確かめる |
| 通知の趣旨が分かりにくい | 通常の解約、クーリング・オフ、中途解約で清算の扱いが違う | 受付の連絡のなかで趣旨を確認する |
| 営業担当者にだけ口頭で申出があった | 口頭の申出の扱いは明示が確認できない | 申出を記録し、書面または電磁的記録の受付先を案内する |
解除のあとの役務の提供、アカウントの扱い
クーリング・オフが成立したあとは、役務の提供を続ける前提がなくなります。オンライン講座の視聴権限、会員用のアカウント、予約枠などは、受付の連絡で今後の取扱いを伝え、停止の時期を案内します。気をつけたいのは、停止と返金の順序です。停止だけを先に進めて、返金を後回しにすると、契約者に「返金されないのではないか」という不安を与え、決済会社への申出につながりやすくなります。停止の手続と返金の手続は、同じ受付番号で管理し、双方の進み具合を契約者に知らせられるようにしておくと、連絡の行き違いが減ります。
返信の文面の考え方
通知を受け付けた後の連絡は、短く、事実だけを書きます。ここでは、文面の例そのものではなく、項目と、避ける表現を整理します。なお、本記事は、文面の考え方を一般的に整理するもので、個別の通知への返信文の作成や、契約者との交渉は扱いません。
文面に入れる項目は、前の章の「受付の連絡に入れる項目」のとおりです。順序は、受け取った事実、対象の契約、これからの手順、窓口、の順が読みやすく、最初に結論(受け付けたこと)を書きます。
避ける表現は、三つの系統に分かれます。一つ目は、期間や権利について事実と異なる印象を与えるものです。期間内なのに「期間を過ぎています」と告げる、実質が個人向けの取引なのに「事業者間の契約です」と告げる、取引の類型を取り違えて「通信販売なのでクーリング・オフはありません」と告げる、といった言い方は、解除に関する事項についての不実の告知にあたるおそれがあります。二つ目は、手続に条件をつけるものです。署名の要求、理由の説明の要求、一定の方法のみの受付の強要です。三つ目は、威圧的に読めるものです。「このままでは」「ご迷惑になります」といった、相手を困惑させる言い方を避けます。
書き方の例(一般的な例) 受付の連絡の書き方
受け付けた旨
理由通知は、事業者の可否の判断を待つものではありません。受け付けた事実を明確に書きます。
理由の扱い
理由理由は要件ではありません。理由の聞き取りを手続の条件に見せないようにします。
提供済みの役務
理由提供済みの役務の対価を請求できないことは、条文のとおりです。
窓口・担当・記録の体制
クーリング・オフの通知は、営業の担当者に届いたり、サポートの窓口に届いたり、個人のメッセージ機能に届いたりします。どこに届いても、同じ手順で処理できる状態にしておかないと、受付の連絡が遅れ、記録が散らばります。窓口は一本にまとめ、営業担当者が通知を受けたときは、自分で対応せず、窓口に回す約束にします。営業担当者が契約者に説得を始めると、解除を妨げる言動の問題になるからです。
社内の役割分担の例
| 役割 | 担当すること | 記録するもの |
|---|---|---|
| 受付窓口 | 通知の受領、受領日時の記録、受付の連絡 | 通知の原本、受領日時、受付連絡の送信記録 |
| 契約の確認担当 | 契約の特定、書面の交付記録の確認、期間内かの確認 | 契約の特定結果、書面の交付日 |
| 経理・決済担当 | 返金の手続、決済会社への連絡 | 返金の日・金額・方法、決済会社の処理番号 |
| 責任者 | 判断に迷う案件の決定、再発防止 | 判断の内容と日付 |
規模が小さい事業では一人が兼ねても構いません。役割が分かれていることと、記録が残ることが大切です。
受領後の記録項目
- 通知の原本(封筒と中身、メールの原本データ、フォームの受付データと受付番号、画面の記録)
- 受領日時と、通知の発信日時(消印、送信日時)
- 契約の特定の結果と、法定の書面の交付日・方法・受領日
- 受付の連絡の日時と内容
- 返金の指図の日、返金した日、金額、方法、決済会社の処理の記録
- 引取りが必要な商品があったときの、引取りの日と費用の負担
- 判断に迷った点と、社内での決定の内容
記録の目的は二つあります。一つは、契約者から「まだ返金されない」と言われたときに、経過を示すこと。もう一つは、決済会社やカード会社から照会があったときに、手続を速やかに説明することです。通知書を受け取ったときの一般的な動き方は、通知書を受け取ったとき・届かないとき・間違えたときにもまとめられています。記録の取り方を一覧にしたものは、チェックリストと記録の残し方にあります。
運用を決めるときに確かめること
確かめる問いと理由通知への対応を点検するとき
通知の受付窓口は、一つにまとまっているか。営業担当やSNSの個人アカウントに届いたときの回し方が決まっているか
届いた場所によって受付の連絡が遅れたり、記録が残らなかったりします。
受付の連絡は、通知と同じ手段で出せるか。自動返信と、人による連絡を分けているか
受け付けた旨の連絡は、食い違いを防ぐ手がかりになります。自動返信だけでは、契約を特定した連絡にはなりません。
決済代行会社やカード会社の取消し・返金の手順を、事前に確認しているか
手順を調べているうちに、返金が遅れます。
返金から差し引く項目(手数料、実費、割引の戻し)が、社内の規程にないか
条文は、対価その他の金銭の請求を禁じています。規程があるなら、見直しが必要です。
引渡し済みの商品があるとき、引取りの費用の負担先が事業者になっているか
引取りや返還の費用は、事業者の負担です。
返金の日数を社内で決めているなら、それが「速やかに」を超えていないか
条文は日数を定めていません。独自の日数は運用の例にとどめます。
起きがちなこと
通知を受け取ったときに起きがちなこと
- 月末の支払日や経理の締め日にあわせて返金し、結果として返金が遅れる。
- 振込手数料や事務手数料を差し引いて返金する。
- 返金の前に、解約合意書や誓約書への署名を求める。
- 通知を営業担当者が受け取り、考え直すよう説得を始める。
- 通知の原本(封筒、メールのヘッダ)を保存せず、発信日時を示せない。
- 受付の連絡をせず、契約者が「届いていないのでは」と不安になる。
- 決済会社の取消しの手順を知らず、返金に時間がかかる。
- 通知に「クーリング・オフ」の語がないことを理由に、通常の解約として扱ってしまう。
この記事の出典
- e-Gov法令検索:特定商取引に関する法律(6条、9条、21条、24条、44条、48条)(確認日:2026年10月22日)
- e-Gov法令検索:特定商取引に関する法律施行規則(22条、66条)(確認日:2026年10月22日)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」Q&A 電磁的記録によるクーリング・オフ(確認日:2026年10月22日)
よくあるご質問
クーリング・オフの通知を受け取ったら、まず何をしますか。
通知の原本を保全し、受領日時と発信日時を記録して、受け付けた旨を連絡します。そのうえで、対象の契約を特定し、受領した金銭の返金に進みます。消費者庁のQ&Aも、電磁的記録による通知を受けた事業者は、受け付けた旨を連絡することが望ましいと説明しています。
返金はいつまでにすればよいですか。
条文は「速やかに」と定めており、何日以内という法定の日数は確認した条文にありません。自社の支払日や経理の締めに合わせて待たせるのではなく、返金の手続ができる状態になったら、遅滞なく進めます。社内で日数を決めるなら、運用の例にとどめます。
振込手数料や事務手数料を、返金から差し引いてもよいですか。
差し引くことを認める規定は確認できません。条文は、対価その他の金銭の請求を禁じ、これに反する契約者に不利な特約を無効としています。差し引きは避け、返金に要する費用は事業者が負担する運用が、争いを避けます。
すでに役務を提供した分の費用は請求できますか。
請求できません。役務が提供されたときでも、対価その他の金銭の支払を請求することはできません(9条5項、24条5項、48条6項)。損害賠償・違約金も請求できません。
通知に「クーリング・オフ」という言葉がなく、「解約したい」とだけ書かれていたらどうしますか。
条文は特定の文言を通知の要件としていません。期間内の通知なら、契約を白紙に戻す趣旨かどうかを確認する必要があります。通常の解約、クーリング・オフ、中途解約では清算の扱いが違うため、受付の連絡の中で趣旨を確認し、言葉だけで扱いを決めないようにします。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月22日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所