8日間・20日間の数え方:初日の扱い、書面を受け取った日、土日祝日

何日目まで通知できるのかは、書面を受け取った日を1日目と数えるか、通知を発した時が基準か、取引の類型が8日か20日かで決まります。起算点、発信主義、休日の扱いを、確認できる範囲と確認できない範囲に分けて整理します。

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期限日は、契約日の翌日からでも、届いた日でもなく、法定の書面を受け取った日を1日目として管理します。通知は発信の時に効力を生じるため、最終日に出された郵便が翌日に届いても、期間内です。

このページの要点

  • 起算点は法定の書面の受領日で、その日を含めて数えます。消費者庁の逐条解説も、受領日を含む8日と説明しています。
  • 効力は通知を発した時に生じます。届いた日で線を引くと、期間内の通知を断ってしまいます。
  • 20日は連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引だけで、訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入は8日の類型です。
  • 最終日が休日にあたる場合は、民法142条の規定はあるものの、クーリング・オフ期間への適用の結論を確認できません。断定せず、発信日を確認して扱います。

結論:数え方の要点は三つ、受領日を含める・発信で足りる・類型で日数が違う

クーリング・オフの期間の数え方は、三つの点に絞って覚えれば、実務で迷うことはほとんどありません。

  1. 書面を受け取った日を含めて数えます。起算点は契約の日ではなく、法定の書面を契約者が受け取った日です。その日を1日目と数え、8日目までが期間です。消費者庁の逐条解説は、書面を受領した日を含む8日が経過したときの意味だと説明し、受領した日が月の1日なら8日までできて、9日からはできない、という例を挙げています。
  2. 効力は、通知を発した時に生じます。届いた日ではありません(特定商取引法9条2項、24条2項、48条3項)。8日目に投函した郵便が9日目以降に届いても、期間内の通知です。
  3. 日数は取引の類型で違います。訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入は8日、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日です。書面が二通あるときは、先に受け取った書面から数えます。

この三点を、先に図で確かめます。まず、8日の場合です。書面を受け取った日が1日目で、8日目の終わりまでが期間です。受け取った日が何曜日でも、8日目はその翌週の同じ曜日になります。

8日間の数え方(書面を受け取った日を1日目に数える)

  1. 1日目書面を受け取った日(1日目)
  2. 2日目
  3. 3日目
  4. 4日目
  5. 5日目
  6. 6日目
  7. 7日目
  8. 8日目最終日(この日のうちに通知を発信)
  9. 9日目期間経過

受け取った日が水曜日なら、8日目は翌週の水曜日です。9日目の木曜日に通知を発信しても、期間を過ぎたことになります。

20日の場合も、考え方は同じで、数える日数が違うだけです。20日目は、受け取った日の19日後(2週間と5日後)にあたります。

20日間の数え方(連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引)

  1. 1日目書面を受け取った日(1日目)
  2. 2日目
  3. 3日目
  4. 4日目
  5. 5日目
  6. 6日目
  7. 7日目
  8. 8日目
  9. 9日目
  10. 10日目
  11. 11日目
  12. 12日目
  13. 13日目
  14. 14日目
  15. 15日目
  16. 16日目
  17. 17日目
  18. 18日目
  19. 19日目
  20. 20日目最終日
  21. 21日目期間経過

受け取った日が水曜日なら、20日目は2週間と5日後の月曜日です。

起算点は「どの書面を」「いつ受け取ったか」

数え始める日は、契約書に書かれた契約日でも、申込みの日でも、代金を払った日でもありません。取引の類型ごとに、条文が基準になる書面を決めています。

取引類型ごとの、期間と数え始める日

取引期間数え始める日条文
訪問販売8日契約書面(5条の書面)を受け取った日。それより前に申込書面(4条の書面)を受け取っていれば、その日9条1項
電話勧誘販売8日契約書面(19条の書面)を受け取った日。それより前に申込書面(18条の書面)を受け取っていれば、その日24条1項
特定継続的役務提供8日契約書面(42条2項または3項の書面)を受け取った日48条1項
訪問購入8日58条の8第1項または第2項の書面を受け取った日。それより前に58条の7第1項の書面を受け取っていれば、その日58条の14
連鎖販売取引20日37条2項の書面を受け取った日。再販売をする商品の購入が特定負担で、商品の最初の引渡しが書面の受領より後なら、引渡しを受けた日40条1項
業務提供誘引販売取引20日55条2項の書面を受け取った日58条1項

通信販売にはクーリング・オフの規定がありません(返品のルールは別の記事で扱います)。取引の類型の見分け方は取引の見分け方と判定の順番にあります。

書面が二通あるとき

訪問販売と電話勧誘販売では、申込みを受けたときに渡す書面(申込書面)と、契約を締結したときに渡す書面(契約書面)が別々にあります。申込書面を先に受け取っているなら、数え始めるのはその受領日です。契約と申込みが同時で、書面が一通なら、その一通の受領日です。申込書面を渡したことを忘れて、契約書面の受領日から数えると、期限を実際より遅く見積もることになります。

特定継続的役務提供では、数え始める基準になるのは契約書面だけです。契約前に渡す概要書面の受領日は、基準になりません。

書面を受け取った日は、どう決まるか

手渡しなら、渡した日です。郵送なら、契約者が受け取った日で、投函した日ではありません。電子的に提供した場合は、条文が到達の時点を決めています。事前の承諾を得て電磁的方法で書面に記載すべき事項を提供したときは、多くの場合、契約者の使う機器のファイルに情報が記録された時点で、契約者に届いたものと扱われます(5条3項による4条3項の準用、19条3項による18条3項の準用、42条5項。方法によって例外があり、規則で定められています)。この時点が受領日になるので、記録された日時を、事業者の側でも保存しておきます。

受領日が起算点である以上、受領日を後から示せるかどうかが、期間の管理の出発点です。電話勧誘販売の逐条解説は、書面を郵送するときに、書留や配達証明など、受領日を立証できる方法を用いることが望ましいと説明しています。手渡しなら、受領の日付を契約者に記入してもらう欄を設けるやり方もあります。次の図は、どの書面の受領日から数えるかを、順に確かめるものです。

どの日から数え始めるか

  1. 1

    申込みの際に申込書面を渡し、あとで契約書面を渡したか(訪問販売・電話勧誘販売)

    はい申込書面を受け取った日から数える(9条1項かっこ書、24条1項かっこ書)

    いいえ次の問いへ

  2. 2

    申込みと契約が同時で、書面を一通だけ渡したか

    はいその一通を受け取った日から数える。一通が契約書面の記載事項を満たしているかは別に確かめる

    いいえ次の問いへ

  3. 3

    特定継続的役務提供か

    はい契約書面を受け取った日から数える。概要書面の受領日は基準にならない

    いいえ次の問いへ

  4. 4

    連鎖販売取引で、再販売をする商品の購入が特定負担にあたり、商品の引渡しが書面の受領より後か

    はい商品の最初の引渡しを受けた日から数える(20日、40条1項)

    いいえ37条2項の書面を受け取った日から数える(20日)

  5. 5

    書面を電磁的方法で提供したか

    はい原則として、契約者の使う電子計算機のファイルに記録された日時が受領日になる。方法ごとの例外は規則で確かめる

    いいえ書面を実際に受け取った日が受領日。受領日を示せる記録を確認する

表と図は、条文の骨組みを整理したものです。個別の契約では、書面の交付日と中身を確かめてから当てはめます。書面に不備があるときは、起算日が来ていないことがあります(別の記事で扱います)。

受領日を含めて数える:初日の扱いと管理表の作り方

民法には期間の計算の一般的なルールがあり、日によって期間を定めたときは、期間の初日は算入しないのが原則です(民法140条)。民法の期間の計算の規定は、法令に特別の定めがある場合や当事者が別段の定めをした場合を除いて適用されます(同法138条)。これだけを見ると、「受け取った日の翌日から数える」と考えたくなります。

ところが、特定商取引法のクーリング・オフについて、消費者庁の逐条解説は、受領した日を含めて8日と説明しています。現時点で確認できる最も明確な基準はこの説明なので、実務では受領日を1日目と数える管理表を作ります。民法の原則どおりに翌日から数えると、管理表の最終日が実際より1日遅くなり、書面や案内に書く期間の説明が、法定の期間と食い違う原因にもなります。説明に沿った表を使い、境目の通知は慎重に扱う、という二段構えにします。

具体的には、社内の期限管理を次のように定めておくと、担当者によるばらつきが出ません。

条文例

クーリング・オフの期限日の管理(社内基準の例)

  1. 法定の書面の受領日(電磁的方法で提供した場合は、契約者の使う電子計算機のファイルへの記録がされた日)を、契約ごとに記録する。
  2. 期限日は、受領日を1日目として数え、8日目(連鎖販売取引及び業務提供誘引販売取引は20日目)とする。
  3. 期限日は、通知を発信することができる最終日として管理する。通知が期限日の翌日以降に届いた場合も、発信日を確認するまでは、期間外の通知として取り扱わない。
  4. 申込書面を先に交付した契約は、申込書面の受領日から数える。

契約書に書く条項ではなく、事業者の内部の管理基準の例です。契約者に示す書面のクーリング・オフに関する事項は、法定の様式で、赤枠の中に赤字で記載します。

書き方の例(一般的な例) 期間の管理の書き方

期限日の起算

よくある書き方契約日の翌日から8日目を期限日とする。
整えた書き方書面の受領日を1日目として8日目を期限日とし、受領日は書面の交付記録から転記する。

理由契約日は起算点ではなく、書面の受領日がずれると期限日もずれます。

期限後の通知の扱い

よくある書き方期限日の翌日に届いた通知は、期間外として受け付けない。
整えた書き方届いた日ではなく発信日を確認し、発信日が期限日以前なら期間内として扱う。

理由効力は通知を発した時に生じます。到達の日で線を引くと、期間内の通知を断ってしまいます。

類型の違う契約の期限

よくある書き方どの契約も、一律に8日で管理する。
整えた書き方連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は20日で管理し、契約の類型を管理表に持たせる。

理由取引の類型で期間が違うため、一律の管理は期限の読み違いになります。

日付で確かめる計算の例

数え方を、日付で確かめます。書面を受け取った日を1日目とするので、8日目は受け取った日の7日後、20日目は19日後です。月をまたぐときは、その月の日数で数え直します。

期限日(最後に通知を発信できる日)の計算例

場面書面を受け取った日期限日数え方
月の途中で受領(8日)10日17日10日が1日目、17日が8日目
月末近くで受領(8日、その月が30日まで)25日翌月2日30日が6日目、翌月1日が7日目、翌月2日が8日目
月末近くで受領(8日、その月が31日まで)25日翌月1日31日が7日目、翌月1日が8日目
月の途中で受領(20日)10日29日10日が1日目、29日が20日目
申込書面を先に受領(8日)申込書面12日、契約書面20日19日先に受け取った申込書面の12日が1日目、19日が8日目。契約書面の20日からは数えない
商品の引渡しが書面より後の連鎖販売取引(20日)書面3日、商品の引渡し8日27日引渡しを受けた8日が1日目、27日が20日目

通知の発信日(消印、送信日時)が期限日以前なら、期間内の通知です。届いた日は基準になりません。

効力は「通知を発した時」:発信主義の意味

クーリング・オフの効力が生じるのは、契約者が書面や電磁的記録で通知を発した時点です。民法の一般原則は、意思表示が相手方に到達した時に効力を生じる到達主義ですが(民法97条1項)、クーリング・オフでは、条文が通知を発した時と定めています。期間の最後の日に投函した郵便が、翌日に届いても、期間内の通知として扱われます。

発信主義は、事業者の運用に二つのことを求めます。

一つ目は、期限日を「通知が届くべき日」として管理しないことです。届く日で数えると、最後の日に発信された通知を、期間外として断ってしまいます。二つ目は、受け取った通知について、発信の日を確かめる方法を持つことです。次の表は、通知の手段ごとに、発信の日を示す記録として何が残るかをまとめたものです。

通知の手段と、発信の日を確かめる記録

手段発信の日を示す記録受け付ける側で残すもの
郵便(はがき・封書)消印、差出しの日付の記載封筒(消印)と中身を一緒に保管する
内容証明郵便郵便局が証明する差出しの日謄本の写し、封筒、配達証明の控え
電子メール送信日時(ヘッダの情報)メール本文と、ヘッダを含む原本データ
事業者サイトの専用フォームフォームの送信日時、受付番号受付データ、受付番号、画面の記録
FAX送信日時の記録受信した原稿と、送信元の情報
SNSなどのメッセージメッセージの送信日時の表示画面の保存、会話の履歴

通知の方式や受付窓口の決め方はメール・LINE・フォームでの通知の扱いで、受け取った後の対応は通知を受け取ったときの事業者の対応で扱います。

発信主義と到達主義の使い分けについては、内容証明の側から整理した通知はいつ届いたことになるかと、期間内に出す通知の整理である期間内に出す通知:発信で足りるか、届かなければならないかが参考になります。解約の申出の受付と効力の決め方は、解約の申出方法・受付・効力発生時点の決め方にもあります。

事業者の側で注意したいのは、クーリング・オフの窓口を含む契約書面の中で、通知の効力を「到達した時」と書いてしまう例です。これは、発信の時に効力を生じるという条文に反します。条文に反して契約者に不利になる特約は、無効です(9条8項、24条8項、48条8項)。

8日と20日の取り違え、二つの期間が混ざる事業

20日の期間があるのは、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引だけです。講座やスクール、サロンのように、役務を提供する事業は、通常は8日の類型にあたります。ただし、再販売や販売のあっせんをする者を増やしていく仕組みや、商品や役務を利用する業務に従事すれば利益が得られるとして勧誘し、取引料を負担させる仕組みが事業に含まれていると、これらの類型の定義(33条、51条)にあたらないかを確かめる必要が出てきます。

よくある失敗は、事業の一部に20日の類型の取引があるのに、全体を8日で書いてしまうこと、逆に、すべて20日と書いて、8日の取引まで長くしてしまうことです。長く書いたからといって安全になるわけではなく、書面に書く期間が法定の期間と食い違えば、書面の記載としても不正確になります。一つの事業に複数の取引が併存するなら、取引ごとに書式を分け、期間の欄を別にします。

取引ごとの期間と、導線ごとの当てはめ方は、取引の見分け方と判定の順番に整理しています。講座の導線については、オンライン講座・Web会議の勧誘は電話勧誘販売かも参考になります。

最終日が土日祝日にあたるとき

最終日が日曜日や祝日にあたるとき、期間は翌日まで延びるのか。多くの事業者が気にする点ですが、確認できる範囲は限られます。

民法142条は、期間の最後の日が日曜日や祝日などの休日にあたるとき、その日に取引をしないという慣習があるなら、満了を翌日に送る、という趣旨の規定です。民法の期間の計算の規定の一つとして、置かれています。ところが、特定商取引法のクーリング・オフの期間にこの規定がどう働くのかについて、特商法の条文に特則は見当たらず、確認した所管官庁の資料にも、結論を示した説明は見つかりませんでした。裁判例も確認できていません。ですから、ここでは「延びる」とも「延びない」とも書きません。

この論点は、実務で頻繁に起きます。書面を受け取った日の曜日と、8日目の曜日が同じになるからです。土曜日や日曜日に会場で契約を結び、その場で書面を渡す事業では、8日目は必ず土曜日か日曜日になります。20日の場合も、受け取った曜日から5日進んだ曜日が20日目です。休日を最終日とする契約が、事業の運用上、日常的に生じる事業者は、境目の通知の扱いを、あらかじめ社内で決めておく必要があります。

書面を受け取った曜日と、期限日の曜日

受け取った曜日8日目の曜日20日目の曜日
月曜日翌週の月曜日土曜日
火曜日翌週の火曜日日曜日
水曜日翌週の水曜日月曜日
木曜日翌週の木曜日火曜日
金曜日翌週の金曜日水曜日
土曜日翌週の土曜日木曜日
日曜日翌週の日曜日金曜日

祝日の有無は暦で別に確かめます。表は曜日の対応だけを示すもので、休日の扱いの結論を示すものではありません。

最終日が休日にあたる場面の整理

場面確認できること事業者の運用
8日目(または20日目)が日曜日・祝日民法142条の規定は存在するが、クーリング・オフ期間への適用の結論は確認できていない書面に書く期間は法定どおりにする。期間を延ばす旨も短くする旨も書かない
休日に発信された通知が、休日明けに届く効力は通知を発した時に生じる届いた日でなく発信日で判断する。発信日時の記録を確認する
事業者が休業しており、休日に通知を読めない受け取る側の事情で、効力の発生時点は動かない休日の受付を想定し、自動返信と、休日明けの確認の手順を決める
最終日が休日で、その翌日に通知が届く発信日が最終日の休日か、翌日かで結論が変わる発信日が確認できない通知は、期間外と即断せず、記録を確認して個別に判断する

休日の取扱いを示す所管官庁の資料が確認できていないため、事業者は「期間外だから断る」という運用に傾けないことが大切です。

要するに、最終日の前の営業日までに通知が発信される前提で運用を作り、境目の通知は、発信日の確認を省かずに扱うのが実務的です。事業者の側から契約者に「最終日が休日なので、翌日まで大丈夫です」と案内することも、「休日は数えないので期間が足りなくなります」と案内することも、根拠を確認できない案内になるため、避けます。

期間外に見える通知が届いたとき

通知が、受領日から数えて9日目以降に届くことは、普通にあります。郵便なら、8日目に投函したものが数日後に届くことも珍しくありません。このとき、「期限切れ」と即断せず、次の順に確かめます。

期間外に見える通知を受け取ったとき

  1. 1

    通知の発信日(消印、送信日時)を確認できるか

    はい次の問いへ

    いいえ発信日を確認できない通知は、期間外と即断しない。届いた日時の記録と、発信の事情を確かめる

  2. 2

    発信日は、書面の受領日を1日目として8日目(20日目)以内か

    はい期間内の通知。受け付けて、返金などの手続に進む

    いいえ次の問いへ

  3. 3

    書面の受領日を、交付記録で示せるか

    はい次の問いへ

    いいえ受領日を示せない契約は、期間の経過を前提にしない

  4. 4

    交付した書面は、法定の事項と方式を満たしていたか

    はい次の問いへ

    いいえ起算日が来ていない可能性がある。書面の不備の記事を確かめる

  5. 5

    契約や解約の相談のとき、不実の告知や威迫にあたる言動がなかったか

    はい期間外として整理できる。判断した根拠と日付を記録し、社内で対応方針を決める

    いいえ期間が延びている可能性がある。妨害と期間延長の記事で、再交付書面の扱いを確かめる

迷ったら、期間外として断るよりも、受け付けた旨を連絡して記録を整える方向に倒します。

書面の不備が疑われるときは書面に不備があるとクーリング・オフ期間が始まらないの記事を、解約の相談で不実の告知や威迫があったときの期間の延び方はクーリング・オフの妨害と期間延長の記事を見てください。いずれも、「期間外」という判断をする前に確かめる項目です。

講座やスクールの契約が学習塾や家庭教師の類型にあたる場合の起算点と数え方については、学習塾のクーリング・オフに、エステティックの場合の期間と中途解約の計算はエステのクーリング・オフと中途解約、返金額の計算にあります。

点検で確かめることと、起きがちなこと

確かめる問いと理由期間の数え方を点検するとき

  1. 契約の類型ごとに、期間が8日か20日かを一覧にしているか

    一つの事業に複数の取引があると、期間の欄を共通にして誤ります。

  2. 申込書面と契約書面を別々に渡す運用か、一通で済ませる運用か

    別々なら申込書面の受領日が起算点になります。一通なら、その一通が契約書面の記載事項を満たす必要があります。

  3. 書面を渡す方法ごとに、受領日をどう記録しているか

    手渡し、郵送、電子的な提供で、受領日を示す記録が違います。郵送なら配達の記録、電子的な提供ならファイルへの記録の日時が手がかりです。

  4. 期限日を、届く日ではなく発信できる最終日として管理しているか

    発信主義のため、最終日の発信を期間内として扱う前提が要ります。

  5. 通知を受け付けたとき、発信日を確認する手順があるか

    封筒の消印、メールのヘッダ、フォームの受付日時など、手段ごとに確認する記録が違います。

  6. 休日や休業日に通知が来ても、受付が止まらない体制か

    受け取る側の事情で、効力の発生時点は動きません。

期間の数え方で起きがちなこと

  • 契約日や申込日を起算点にして、期限日を決めてしまう。起算点は法定の書面の受領日です。
  • 受領日を数えずに、翌日から8日と数える。逐条解説は、受領日を含めて数えると説明しています。
  • 通知が届いた日で期間の内外を判断する。効力は、通知を発した時に生じます。
  • 8日と20日を取り違える。20日は、連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引だけです。
  • 申込書面を先に渡しているのに、契約書面の受領日から数える。先に受け取った書面が基準です。
  • 最終日が休日にあたる場合の結論を、根拠なく社内で決めて契約者に案内する。確認できていない扱いは、断定しません。
  • 書面の受領日を記録していないため、期間の経過を示せない。

この記事の出典

  • e-Gov法令検索:特定商取引に関する法律(4条、9条、19条、24条、37条、40条、42条、48条、55条、58条、58条の14)(確認日:2026年10月22日)
  • e-Gov法令検索:民法(97条、138条から143条)(確認日:2026年10月22日)
  • 消費者庁「特定商取引法ガイド」特定商取引に関する法律の解説(令和7年6月1日時点版):訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供の各解説(確認日:2026年10月22日)

よくあるご質問

クーリング・オフの8日は、契約した日から数えるのですか。

契約日ではなく、法定の書面を受け取った日から数えます。その日を1日目として、8日目までが期間です。申込書面を先に受け取っているときは、その書面の受領日が基準になります。書面の交付日を記録しておかないと、期間を示すことができません。

通知が期間の最終日の翌日に届いたら、期間外ですか。

効力は通知を発した時に生じ、届いた日で判断しません。最終日に発信された通知なら、翌日以降に届いても期間内です。発信日は、郵便なら消印、電子メールなら送信日時などで確認します。

受け取った日の翌日から数えるのではないのですか。

民法には、期間の初日を算入しないという原則があります。しかし、特定商取引法のクーリング・オフについて、消費者庁の逐条解説は、書面を受領した日を含めて数えると説明しています。事業者の期限管理も、この説明に沿って、受領日を1日目として作ります。

最終日が日曜日や祝日のときは、翌日まで延びますか。

民法142条には、期間の末日が休日にあたるときの規定がありますが、クーリング・オフ期間への適用の結論を示す所管官庁の資料は確認できていません。延びるとも延びないとも断定せず、書面には法定の期間を書き、境目の通知は発信日を確認して扱います。

8日ではなく20日になる取引はありますか。

連鎖販売取引と業務提供誘引販売取引は、書面を受け取った日から20日です。訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入は8日です。一つの事業に複数の取引が含まれるときは、取引ごとに期間を分けて管理します。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月22日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所

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