このページの要点
- 訪問販売は規則6条・7条、電話勧誘販売は46条・47条、特定継続的役務提供は92条・94条が、赤枠・赤字・8ポイントの根拠です。
- 赤枠に入れるのは、書面の内容を十分に読むべき旨と、クーリング・オフ(および使えないとする場合)の事項です。
- 枠線だけでなく文字も項番号も赤にし、枠が1ページに収まるようにします。収まらないときは内容を削ります。
- 編集用と交付用の二版で管理し、電子交付でも出力した結果が書式の要件を満たす設計にします。
結論:赤枠の要求は「二つの内容」と「文字の大きさ」
クーリング・オフの条項を、他の条項と同じ黒字の条文として書いている契約書は、いまも少なくありません。結論から言うと、特商法の書面では、クーリング・オフに関する事項は、通常の条文のままでは足りず、赤枠の中に赤字で書く決まりになっています。決まりは、次の三つに整理できます。
- 「書面の内容を十分に読むべき旨」を、赤枠の中に赤字で書くこと。
- クーリング・オフに関する事項(クーリング・オフを使えないとする場合の事項を含みます)を、赤枠の中に赤字で書くこと。
- 書面には、日本産業規格Z8305の8ポイント以上の大きさの文字と数字を使うこと。
これらは、訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供のそれぞれについて、施行規則に定められています。法は、書面を「主務省令で定めるところにより」交付するよう求めているため(たとえば4条1項、18条1項、42条2項)、方式の要件を欠く書面は、法の求める書面として扱われないおそれがあります。記載事項がすべてそろっていても、黒字で書かれている、文字が小さい、読むべき旨の赤枠がない、といった形式の不備は、書面の不備として問題になりえます。
この記事の条番号は、e-Gov法令検索(2026年10月22日時点)で取得した特商法・施行規則の条文で確認しています。クーリング・オフの期間の数え方や、書面の不備が期間に与える影響は、別の記事で扱います。ここでは、赤枠に何を、どの形式で書くかに絞ります。
根拠条文:取引の類型ごとの赤枠の規定
赤枠の規定は、取引の類型ごとに別の条に置かれています。内容はほぼ同じですが、条番号が違うので、自社の取引がどれに当たるかを先に決めてください(判定の順番はクーリング・オフが使える取引の見分け方と判定の順番)。
類型別の赤枠・赤字・文字の大きさの根拠条文
| 取引類型と書面 | 読むべき旨(赤枠・赤字) | クーリング・オフの事項(赤枠・赤字) | 文字の大きさ(8ポイント以上) |
|---|---|---|---|
| 訪問販売の申込書面・契約書面(法4条・5条) | 規則6条2項 | 規則7条6項(同条1項から5項の事項) | 規則6条3項 |
| 電話勧誘販売の申込書面・契約書面(法18条・19条) | 規則46条2項 | 規則47条6項(同条1項から5項の事項) | 規則46条3項 |
| 特定継続的役務提供の概要書面(法42条1項) | 規則92条2項 | 条文上、赤枠・赤字を求める項は挙がっていない(解除に関する事項そのものは記載事項) | 規則92条3項 |
| 特定継続的役務提供の契約書面(法42条2項) | 規則94条4項 | 規則94条3項(表の第二号の事項と、同条2項の事項) | 規則94条5項 |
いずれも、e-Gov法令検索で取得した施行規則(2026年10月22日時点)の条文で確認した内容です。
表の特定継続的役務提供の契約書面の行は、読み方に注意が必要です。規則94条3項は、赤枠の中に赤字で書く対象として「表の第二号の事項」と「同条2項の事項」を挙げています。第二号の事項は、法48条の解除(いわゆるクーリング・オフ)と関連商品の解除に関する事項で、2項の事項は、関連商品のうち使用や消費で価値が著しく減る商品について、使用・消費後は解除できないとする場合の記載です。法49条の中途解約に関する事項(表の第三号)は、この項に挙がっていません。そのため、中途解約の事項を同じ枠に入れるか、枠の外の通常の文字で書くかは、条文の文言上は書式の選択になります。ただし、記載しなければならない事項であることは変わりません。
また、5条2項の簡易な書面(その場で履行を終えて代金も受け取った場合に交付する書面)にも、規則6条・7条の書式の要件が及びます。申込書面・契約書面の区別にかかわらず、書面の書式は共通だと考えてください。
赤枠を書面のどこに置くかについて、法律は位置を指定していません。逐条解説(電話勧誘販売の章)は、「書面の内容を十分に読むべき旨」と「クーリング・オフに関する事項」を、書面の最初のページに記載することが望ましいと説明しています。契約書の途中の条にクーリング・オフを置くと、赤枠が2ページにまたがりやすくなるため、実務上も、冒頭に近い条に置く設計が扱いやすくなります。
赤枠の中に入れる範囲
赤枠に何を入れるかが曖昧だと、枠が長くなって1ページに収まらなくなったり、逆に必要な事項が枠の外に出てしまったりします。範囲を、内容別に分けて整理します。
読むべき旨
書面の内容を十分に読むべき旨は、書面全体に対する注意書きです。条文は記載の位置を指定していないため、書面に一か所あれば足りると読めます。赤枠の冒頭に「この書面の内容を十分にお読みください」の趣旨の一文を置く書式が、実務では広く使われています。
クーリング・オフに関する事項(役務提供契約の場合)
講座やサービスのような役務提供契約では、訪問販売は規則7条1項の表の第三号、電話勧誘販売は規則47条1項の表の第三号が、書くべき内容を定めています。次の表は、その内容を要旨で並べたものです(条文の言葉そのままではありません)。
役務提供契約のクーリング・オフ事項(訪問販売は規則7条1項、電話勧誘販売は規則47条1項、いずれも表の第三号)
| 区分 | 赤枠に書く内容(要旨) |
|---|---|
| イ | 書面を受領した日(先に申込書面を受領していればその日)から起算して8日を経過するまでは、書面または電磁的記録で、申込みの撤回または解除ができること |
| ロ | 事業者の不実の告知や威迫で誤認・困惑し、期間内に行使しなかった場合は、事業者がクーリング・オフできる旨を記載して交付した書面を受領した日から8日を経過するまで、行使できること |
| ハ | 撤回・解除は、その通知を発した時に効力が生じること(発信主義) |
| ニ | 撤回・解除に伴う損害賠償や違約金を、事業者は請求できないこと |
| ホ | すでに役務が提供されていても、その対価その他の金銭を、事業者は請求できないこと |
| ヘ | 役務に関連して金銭を受領しているときは、事業者は速やかにその全額を返還すること |
| ト | 役務の提供に伴って土地・建物その他の工作物の現状が変更されたときは、買い手は原状回復の措置を無償で請求できること |
ホは、単なる「全額返金」の約束では代わりにならない別の事項です。提供済みの役務の対価を請求しないことを、はっきり書く必要があります。トは、工作物の現状変更を伴わない役務では、実際に起こる場面が想定しにくい事項ですが、記載事項として条文に挙がっています。
クーリング・オフを使えないとする場合の事項
事業者が、法律に基づいて、クーリング・オフを適用しない契約や商品を定める場合は、その旨も赤枠の中に赤字で書きます(規則7条2項から5項、47条2項から5項)。たとえば、政令で指定された商品を使用または消費したときは解除できないとする場合には、商品の名称と、使用・消費したときは解除できない旨を書きます。現金取引で総額が政令で定める金額に満たない場合に解除できないとするときも、その旨を書きます。講座やサービスで、これらに当たる場面は多くありませんが、物販を伴う場合には確認が必要です。
赤枠に入れなくてよいもの
事業者の住所、電話番号、担当者の氏名などは、書面の記載事項として別に求められていますが(規則5条、45条)、赤枠の中に置くことは、条文が求めているわけではありません。一方で、クーリング・オフの通知の宛先を枠の中に置くと、買い手が通知先を探す手間が省けるため、その書き方を採る書式も多くあります。条文が求めているのは、先の表の事項を赤枠の中に赤字で書くことで、宛先を枠に入れるか枠の外に出すかは設計の選択です。枠が長くなって1ページに収まらない場合は、宛先を枠の外に出し、枠の中には表の事項の核心だけを残すほうが安全です。
関連して、オンライン講座の契約書面での赤枠の置き方はオンライン講座の契約書面と赤枠に、高額なカウンセリングやコーチングの契約とクーリング・オフの関係は高額カウンセリング・コーチング契約とクーリング・オフにまとめられています。
書式の要件:赤・枠・8ポイントで崩れやすい点
契約書作成の実務の経験をもとに、形式面で崩れやすい点を並べます。条文の要件を満たしていても、仕上がりが崩れると、形式の不備になります。
- 赤字になっているか。枠線だけ赤くて文字が黒、という書面があります。文字そのものを赤にします。
- 項番号まで赤か。自動番号を使う文書作成ソフトでは、番号の色が本文の色と別に決まり、本文は赤でも番号が黒のまま残ることがあります。番号の書式にも色を指定してください。
- 枠が1ページに収まっているか。枠が途中で分断されると、一つの赤枠ではなくなります。枠に入れる内容を削るのが正しい対処で、ページ分割の設定で押し込もうとしても、枠の内容が1ページの高さを超えていれば割れます。
- 8ポイント以上か。赤枠の外の条文でも、書面には8ポイント以上の文字と数字を使うことが求められています。規約の末尾を小さい字で詰める書き方は避けます。縮小して印刷すると、実際の大きさが8ポイントを下回ることもあります。
- 色が識別できる形で渡しているか。白黒印刷や白黒コピーで渡すと、赤字の区別が付かなくなります。紙で交付するときはカラーで出力し、電子ファイルで渡すときは色が保たれる形式にします。
- 読むべき旨と宛先の置き場所が決まっているか。冒頭の赤枠に「十分にお読みください」を入れる書式と、独立した赤枠にする書式があり、条文はどちらも排除していません。どちらでも、書面に一か所は入れてください。
なお、赤枠の中に条番号や条見出しを置く書き方は、他の条との区別をつけるために有効です。クーリング・オフの条だけが赤枠で、他の条は通常の書式だと、買い手が見落としにくくなります。見落としにくい書式にすることは、読むべき旨を赤枠にする趣旨とも合致します。
表示の見本:構成と代表的な項
赤枠の文例は、全項目を載せず、構成の順序と代表的な項にとどめます。次の見本は、電話勧誘販売に当たる場合を想定した書き方で、買い手を「受講者(甲)」、事業者を「当方(乙)」と呼ぶ契約書での例です。呼称は、自社の契約書に合わせて置き換えてください。事業者名や商品名、通知の宛先は省いています。
表示の見本クーリング・オフの条(抜粋)
《この書面(契約書面)の内容を十分にお読みください。》
第○条(クーリング・オフ)
1. この契約が特定商取引法の電話勧誘販売に該当する場合、受講者(甲)は、この契約書面を受け取った日から8日以内であれば、書面(ハガキ、封書等)又は電磁的記録(電子メール等)により、無条件で契約の申込みの撤回又は契約の解除(クーリング・オフ)をすることができます。クーリング・オフは、通知を発信した時(郵便の場合は、郵便消印の日付など)に効力が生じます。理由を示す必要はありません。
2. クーリング・オフをした場合、当方(乙)は、損害賠償又は違約金の支払を請求することはありません。すでに役務を提供した場合でも、その対価の支払を請求することはありません。また、すでに受領した金銭は、速やかに全額を返還します。
(3.から5.は、当方が不実のことを告げ、又は威迫して、期間内に行使できなかった場合の再度のクーリング・オフ、通知の宛先、通信販売の経路で申し込まれた場合にも同じ取扱いとすること等。ここでは省略)
6. この条の規定に反する特約で、受講者(甲)に不利なものは、無効とします。
構成の順序は、書面の内容を読むべき旨の一文、条の見出し、期間と方法と発信主義、事業者が行わないこと、再度のクーリング・オフ、通知の宛先、特約の無効、の流れです。この見本は、先の表の事項を網羅したものではありません。実際の書面では、表のイからトまでの事項が漏れなく入っているかを、条文と照らして確認してください。
見本の第2項は、表のニ(損害賠償・違約金)、ホ(提供済み役務の対価)、ヘ(全額返還)の事項を、平易な言葉で一つにまとめた書き方です。条文は「請求することができないこと」という言い方ですが、買い手にとっての意味が伝わるように、「請求しません」「返還します」という事業者の言葉に直す形が実務では取られています。平易にしても、事項が欠けないようにします。
通信販売の経路で申し込まれた場合にも、同じ取扱いとするという特約を置く書き方があります。たとえば、電話勧誘販売の類型に当たらない申込みの経路があるときにも、同じ条件でクーリング・オフを認める、という設計です。この特約は、買い手に有利なものです。次のような条文になります。
クーリング・オフを特約として適用する条項(論点ごとの例)
- 本条の定めは、本契約が特定商取引法の訪問販売又は電話勧誘販売に該当しない場合であっても、乙が甲に対する特約として適用する。
- 前項の特約によるクーリング・オフの期間は、甲が本契約書を受け取った日から起算して8日とし、通知の方法および効果は、本条第1項および第2項の定めによる。
取引の類型の判定に迷う導線があるときに、一律に買い手に有利な取扱いを定めておく設計です。類型の判定の誤りが、そのまま書面の不備にならないようにする意味もあります。この特約を置く場合は、広告や表記の返金の説明と食い違わないようにしてください。
編集用と交付用の二版を作る運用、電子交付での表示
赤枠を含む書面は、編集の途中で崩れやすいため、編集用の版と交付用の版を分けて管理する運用が有効です。
編集用と交付用の使い分け
| 版 | 使う場面 | 特徴 |
|---|---|---|
| 編集用 | 条文の修正、項目の追加、社内の確認、変更の履歴の管理 | 赤枠を付けず、内容の変更に集中できる。変更履歴やコメントを残せる |
| 交付用 | 買い手に渡す書面の作成 | 赤枠・赤字・8ポイント以上の書式を適用し、1ページに収まることを確認した上で、変更できない形式(PDFなど)にする |
編集用から交付用を作る手順を決め、書式の確認を交付の前の必須の手順にしてください。
編集用を直したのに交付用の更新を忘れて、古い内容の書面を交付してしまう事故も起きます。版管理のルールとして、交付用のファイル名に版の日付を入れる、交付した書面の写しを契約ごとに保存する、といった運用を決めておくと、どの内容の書面を交付したのかを後から確認できます。
電子交付の場合も、書面の書式の要件が消えるわけではありません。電磁的方法で書面の事項を提供するときは、買い手がファイルへの記録を出力することにより書面を作成できること(規則8条2項1号、電話勧誘販売は48条2項1号、特定継続的役務提供は97条2項1号)と、買い手が事項を明瞭に読めるように表示すること(規則8条3項)が求められています。そこで、実務上は、出力した結果が、赤枠・赤字・8ポイント以上の要件を満たす状態になるように設計しておくのが、安全側の考え方です。画面の拡大縮小やスマートフォンの表示で赤枠が崩れないか、PDFを白黒で印刷したときに赤字が識別できなくなっても、買い手が元のファイルを見ればよいか、といった点を確認します。電子交付の手順と承諾の取り方は特商法の書面を電子交付する手順と承諾の取り方で扱っています。
よくある失敗と直し方
書き方の例(一般的な例) 赤枠の書き方(一般的な例)
クーリング・オフの書式
理由クーリング・オフの事項は、赤枠の中に赤字で書くことが求められています。通常の条文のままでは書式の要件を欠きます。
枠と文字の色
理由「赤枠の中に赤字で」と定められており、枠と文字の両方が対象です。自動番号は色が別に決まるため、見落としやすい箇所です。
文字の大きさ
理由文字の大きさの要件は、書面全体に及びます。枠を1ページに収めるために文字を小さくするのは、順序が逆です。内容を整理して枠を短くします。
読むべき旨
理由読むべき旨は、クーリング・オフの事項とは別に求められている事項です。クーリング・オフの条だけを赤枠にして満足しがちな箇所です。
赤枠の分断
理由分断された枠は、一つの赤枠として読みにくくなります。収まらないときは内容を削ります。
印刷と交付
理由赤字の区別が付かない書面は、赤字の要件を満たさないものとして扱われるおそれがあります。
交付前の点検と、確かめること
交付前の点検(赤枠)
- 取引の類型(訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供)に応じた条文を確認している。
- 書面の内容を十分に読むべき旨が、赤枠の中に赤字で書かれている。
- クーリング・オフの事項(表のイからトに当たる内容)が、赤枠の中に赤字で、欠けなく書かれている。
- 枠線、文字、項番号のすべてが赤になっている。
- 書面全体の文字と数字が、8ポイント以上になっている(赤枠の中を含む)。
- 赤枠が1ページに収まり、途中で分断されていない。
- カラーで出力する、または色が保たれる形式で電子交付する手順になっている。
- 交付用の版の日付と、交付した写しの保存場所が決まっている。
確かめる問いと理由赤枠を設計する前に確かめること
取引の類型は一つか、複数の導線があるか
導線ごとに適用される条文が違う場合は、赤枠の文言が導線ごとに変わります。一つの書式で全部を賄うのか、特約で統一するのかを先に決めます。
交付の方法は紙か、電子か。電子なら、承諾の手続を取っているか
電子交付では、出力した結果が書式の要件を満たすかが問題になります。承諾の手続は別の記事で扱います。
特定継続的役務提供に当たるか。関連商品の販売はあるか
契約書面の赤枠は、表の第二号の事項(関連商品を含む)まで及びます。関連商品の有無で、枠の内容が増えます。
通知の受付窓口を何にするか
書面に通知先を示す設計にするなら、窓口の決め方が必要です。クーリング・オフ通知のメール・LINE・フォーム対応で扱っています。
確認の結果は、赤枠の設計メモとして残し、書面の改訂のときに見直す基準にします。
クーリング・オフの期間の数え方と、書面を受け取った日を起算点とする考え方はクーリング・オフ8日・20日の数え方と初日の扱いで扱っています。赤枠を含む書面に不備があるときの期間への影響は書面に不備があるとクーリング・オフ期間が始まらない、記載事項の全体は契約書面・概要書面の記載事項とよくある漏れで整理しています。業種ごとの書き方の違いは、エステの概要書面・契約書面や、語学教室の契約書面、学習塾のクーリング・オフをご覧ください。
実務で起きがちなこと
- クーリング・オフの条を、他の条と同じ黒字の通常の条文で書いている。
- 枠線は赤だが、文字や項番号が黒のまま残っている。
- 書面の内容を十分に読むべき旨の赤枠が、どこにもない。
- 赤枠を1ページに収めるために文字を8ポイント未満に縮めている。
- 編集用の版を直したが、交付用の版が更新されず、古い内容の書面を交付している。
- 白黒印刷した書面を渡している。電子ファイルで、スマートフォンの表示では枠が崩れている。
- 取引の類型の判定を誤り、別の類型の条文を前提にした赤枠を使っている。
この記事の出典
- e-Gov法令検索:特定商取引に関する法律(現行は2026年8月12日施行の版)・同施行令・同施行規則(確認日:2026年10月22日):特商法4条・5条・9条・18条・19条・24条・42条・48条、施行規則6条・7条・46条・47条・92条・94条・8条
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」(https://www.no-trouble.caa.go.jp/)の逐条解説(令和7年6月1日時点版)(確認日:2026年10月22日):電話勧誘販売の書面に関する解説(書面の記載位置、書面の意味)
よくあるご質問
クーリング・オフの条項を、普通の黒字の条文で書いてはいけませんか。
書面にクーリング・オフに関する事項を書く際は、赤枠の中に赤字で書くことが、施行規則で求められています(訪問販売は規則7条6項、電話勧誘販売は47条6項、特定継続的役務提供の契約書面は94条3項)。通常の黒字の条文だけでは、書式の要件を満たさないおそれがあります。
書面の内容を十分に読むべき旨の赤枠は、別に必要ですか。
必要です。クーリング・オフの事項とは別に、書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で書くことが、規則6条2項、46条2項、92条2項、94条4項に定められています。書面に一か所あれば足りると読め、クーリング・オフの赤枠の冒頭に入れる書式もよく使われています。
8ポイントは、赤枠の中だけの要件ですか。
いいえ。規則6条3項、46条3項、92条3項、94条5項は、書面全体について、日本産業規格Z8305の8ポイント以上の大きさの文字と数字を使うことを求めています。赤枠の中も、枠の外の条文も、8ポイント以上にしてください。
特定継続的役務提供の契約書面では、中途解約の事項も赤枠に入れるべきですか。
規則94条3項が赤枠の中に赤字で書くよう挙げているのは、法48条の解除(クーリング・オフ)と関連商品に関する事項(表の第二号と2項の事項)で、中途解約の事項(表の第三号)はその項に挙がっていません。同じ枠に入れるか枠の外に書くかは書式の選択ですが、中途解約の事項は契約書面に必ず記載しなければなりません。
電子ファイルで渡す場合も、赤枠や8ポイントの要件はありますか。
電磁的方法で事項を提供するときは、買い手が出力して書面を作成できること、明瞭に読めるように表示することが求められています(規則8条2項1号・3項など)。出力した結果が書面の書式の要件を満たす設計にしておくのが、実務上の安全側の考え方です。承諾の手続など、電子交付の手順は別の記事で整理しています。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月22日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所