このページの要点
- 関連商品は特定継続的役務提供の用語。書面に購入必須と記載した商品が対象で、概要書面と契約書面に、商品名・種類・数量・価格を書く(規則92条・93条・94条)。
- クーリング・オフで役務提供契約を解除すると、関連商品の契約も解除できる(48条2項)。損害賠償等は請求できず、引取りの費用は販売した者の負担。
- 使用・消費で解除できなくなるのは、エステの食品・化粧品・石けん・浴用剤と美容医療の関連商品に限られる。契約書面の赤枠に、名称と旨を書いていることが前提。
- 中途解約でも関連商品は解除でき、請求できる額は49条6項の上限まで。書面と窓口の説明が食い違うと、不実告知として処分の対象になりうる。
結論:関連商品は特定継続的役務提供の用語。書面への記載と、解除の扱いが条文で決まっている
このページの結論
- 誰に当てはまるか
- 指定7役務(エステ・美容医療・語学・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介)の契約で、役務の提供に際して教材・化粧品・機器などを購入させる事業者。
- 何をすべきか
- 購入が必要な商品の名称・種類・数量・価格を概要書面と契約書面に書く。クーリング・オフと中途解約で関連商品の契約も解除できることを書面に示し、使用で解除できなくなる商品があるなら、その旨を契約書面の赤枠に書く。
- 期限
- 概要書面は契約を結ぶまで、契約書面は契約を結んだら遅滞なく。クーリング・オフは契約書面の受領から8日、その後は契約期間中いつでも中途解約と関連商品の解除ができる。
関連商品(特定継続的役務の提供に際して購入する必要のある商品のうち、施行令の別表で指定されたもの。用語集)という言葉は、特商法48条2項に出てくる、特定継続的役務提供の用語です。訪問販売などでは「商品」と呼び、特別な名前はありません[1]。したがって、このページの内容は、指定7役務で期間・金額の要件を超える契約に当てはまります。
関連商品を巡る問題は、三つに整理できます。一つ目は、書面にどう書くかです。二つ目は、クーリング・オフで役務の契約を解除したとき、関連商品の売買契約も解除できることです。三つ目は、8日を過ぎた中途解約でも、関連商品の契約を解除でき、事業者が請求できる額に上限があることです。
クーリング・オフ後の清算の全体は解除後の清算、中途解約の上限は中途解約と上限で扱います。このページは、書面に何を書くかを中心に、解除の扱いを条文の号に沿って整理します。
この書類が必要になる取引の一覧
「関連商品」という用語そのものは特定継続的役務提供のものですが、商品に関する事項を書面に書く義務は、他の取引類型にもあります。次の一覧は、類型ごとの要否と根拠条文です。通信販売は書面の交付義務がありません。
商品・関連商品の記載が必要になる取引の一覧
| 取引の類型 | 要否 | 条件・補足 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 訪問販売 | 要 | 商品名・商標又は製造者名・型式・数量などを契約書面に記載 | 特商法施行規則5条4号〜6号 |
| 電話勧誘販売 | 要 | 商品名・商標又は製造者名・型式・数量などを契約書面に記載 | 特商法施行規則45条4号〜6号 |
| 通信販売 | 不要 | — | — |
| 連鎖販売取引 | 要 | 商品の種類・性能・品質等を契約書面に記載 | 特商法37条2項1号 |
| 特定継続的役務提供 | 要 | 購入が必要な商品名(関連商品)を契約書面に記載し、種類・数量なども記載 | 特商法42条2項1号、同法施行規則93条2項4号 |
| 業務提供誘引販売取引 | 要 | 商品の種類・性能・品質等を契約書面に記載 | 特商法55条2項1号 |
| 訪問購入 | 要 | 物品名・物品の特徴などを申込み時の書面・契約書面に記載 | 特商法施行規則132条4号〜6号 |
要=法令で必要/条件付き=場合により必要/任意=法令上の義務はないが実務上置く/不要=不要。
関連商品とは何か:7業種の表と、判断の基準
関連商品は、施行令の別表第五が、業種ごとに指定しています(特商法施行令29条1項)。次の表は施行令から機械的に照合したものです。
関連商品(施行令別表第五)
| 項と役務 | 関連商品として指定されている商品 |
|---|---|
| 一の項 エステティック | 動植物の加工品で人が摂取するもの(医薬品を除く)、化粧品・石けん(医薬品を除く)・浴用剤、下着、電気刺激・電磁波・超音波を用いて皮膚を清潔にし又は美化する器具・装置(施行令別表第五第一号) |
| 二の項 美容医療 | 動植物の加工品で人が摂取するもの、化粧品、歯牙漂白用のマウスピース・漂白剤、美容目的の医薬品・医薬部外品(施行令別表第五第二号) |
| 三の項 語学の教授 | 書籍、音・影像・プログラムを記録した物、ファクシミリ装置・テレビ電話装置(施行令別表第五第三号) |
| 四の項 学力の教授・家庭教師型 | 書籍、音・影像・プログラムを記録した物、ファクシミリ装置・テレビ電話装置(施行令別表第五第三号) |
| 五の項 学力の教授・学習塾型 | 書籍、音・影像・プログラムを記録した物、ファクシミリ装置・テレビ電話装置(施行令別表第五第三号) |
| 六の項 電子計算機・ワープロの操作の教授 | 電子計算機・ワードプロセッサーとその部品・附属品、書籍、音・映像・プログラムを記録した物(施行令別表第五第四号) |
| 七の項 結婚相手の紹介 | 真珠・貴石・半貴石、指輪その他の装身具(施行令別表第五第五号) |
関連商品のうち、使用・消費で価額が著しく減少するおそれのあるものを使用・消費した場合は解除できない。対象は別表第五第一号イ・ロ及び第二号に限る(事業者が使用・消費させた場合は除く)(特商法48条2項ただし書、同法施行令29条2項)
「法第四十八条第二項本文の政令で定める関連商品は、別表第五に掲げる商品とする。」
「法第四十八条第二項ただし書の政令で定める関連商品は、別表第五第一号イ及びロ並びに第二号に掲げる関連商品とする。」
表に載る商品であっても、すべてが関連商品になるわけではありません。条文の定義は、「特定継続的役務の提供に際し…購入する必要のある商品」です。消費者庁のQ&Aは、判断の基準を次のように説明しています[3]。
関連商品に当たるか:消費者庁Q&A(特定継続的役務提供)の整理
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 書面に購入必須の商品として記載したもの | 関連商品。クーリング・オフと中途解約の対象 |
| 事業者が指定した業者から買う商品 | 関連商品(事業者が代理・媒介する場合)。書面に書くのは指定業者から買う分 |
| 消費者が市中で自分で選んで買う商品 | 関連商品に当たらない |
| おすすめとして示すだけの推奨品 | 関連商品に当たらない。ただし、購入必須と説明していたのに書面にない場合は、書面不備として処分や罰則の対象になりうる |
| 包装を開けただけの消耗品 | 使用・消費に当たらない。クーリング・オフで解除できる |
Q9〜Q12の要旨です。Q&Aは行政の考え方を示すもので、個別の判断は条文と実態によります。
書面に書く事項:概要書面と契約書面
関連商品の書面への記載は、概要書面の段階で商品名・種類・数量を示し、契約書面で価格と解除の扱いまで書く流れです。条文の位置は次のとおりです。
関連商品に関する記載事項(特定継続的役務提供)
| 書面 | 条文 | 書く事項 |
|---|---|---|
| 概要書面 | 特商法施行規則92条1項1号ハ | 役務の提供に際して購入する必要のある商品があるときの商品名・種類・数量 |
| 概要書面 | 同法施行規則92条1項1号ニ | 支払う金銭の概算額(関連商品の価格を含める) |
| 概要書面 | 同法施行規則92条1項1号ト・チ | クーリング・オフと中途解約に関する事項(関連商品販売契約の解除を含む) |
| 契約書面 | 特商法42条2項1号 | 役務の内容と、購入する必要のある商品があるときはその商品名 |
| 契約書面 | 同法施行規則93条2項4号 | 購入する必要のある商品の種類と数量 |
| 契約書面 | 同法施行規則93条2項7号 | その商品を販売する者が事業者と別のときは、販売者の氏名又は名称・住所・電話番号・法人は代表者の氏名 |
| 契約書面 | 同法施行規則94条1項の表一号 | 金額の費目ごとの明細に、購入する必要のある商品の価格を含める |
| 契約書面 | 同法施行規則94条1項の表二号ト〜ヲ | クーリング・オフで関連商品販売契約も解除できること、申出先、発信主義、損害賠償等の不請求、引取り費用の事業者負担、全額返還 |
| 契約書面 | 同法施行規則94条1項の表三号ハ〜ホ | 中途解約で関連商品販売契約も解除できること、申出先、関連商品の使用料などの上限 |
| 契約書面 | 同法施行規則94条2項・3項 | 使用・消費したら解除できないとするときの、商品の名称と旨。赤枠の中に赤字で書く |
特定権利販売契約(権利の購入)の契約書面は、特商法42条3項と施行規則95条・96条が同じ構造で定めています。
関連商品を巡る記載で見落とされやすいのは、クーリング・オフの事項そのものです。条文は、役務提供契約の解除に関する事項に、関連商品販売契約の解除を含めることを求めています。次の引用は、規則94条1項の表二号のうち、関連商品に関わる部分から抜いたものです。
「ト イ又はロの契約の解除があつた場合において、役務提供事業者が関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行つているときは、特定継続的役務の提供を受ける者は、当該、関連商品販売契約についても解除を行うことができること。」
「ル トの契約の解除があつた場合において、当該関連商品販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は関連商品の販売を行つた者の負担とすること。」
「ヲ トの契約の解除があつた場合において、当該関連商品販売契約に関連して金銭を受領しているときは、関連商品の販売を行つた者は、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、その全額を返還すること。」
解除後の扱い:クーリング・オフと中途解約
関連商品の契約が解除されるのは、役務提供契約が解除されたときです。条文は、48条2項と49条5項で、二つの場面を別に定めています。
「前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(…「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、当該商品の販売に係る契約…についても、前項と同様とする。」
「ただし、特定継続的役務提供受領者等が第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した場合において、関連商品であつてその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は、この限りでない。」
クーリング・オフで関連商品の契約が解除されたときの清算は、役務と並行して定められています。損害賠償や違約金は、関連商品の販売を行った者も請求できません(48条4項)。引渡し済みの関連商品の返還・引取りの費用は、関連商品の販売を行った者の負担です(同条5項)。
8日を過ぎたあとの中途解約では、関連商品販売契約の解除が49条5項に定められ、関連商品の販売を行った者が請求できる額は、49条6項が次のように制限しています。
「関連商品の販売を行つた者は、前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。」
「一 当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)」
「二 当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額」
「三 当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」
関連商品の扱い:クーリング・オフと中途解約の違い
| 項目 | クーリング・オフ(特商法48条) | 中途解約(特商法49条) |
|---|---|---|
| いつまで | 契約書面の受領日から8日を経過するまで(妨害があれば再起算) | 上の期間の経過後、契約期間中いつでも |
| 関連商品の解除 | 役務提供契約の解除があったとき、関連商品販売契約も解除できる(48条2項) | 役務提供契約の解除があったとき、関連商品販売契約も解除できる(49条5項) |
| 使用・消費の例外 | 一部の消耗品は、使用・消費すると解除できない(48条2項ただし書、施行令29条2項) | 49条5項には、同じ例外の定めがない |
| 請求できる金額 | 損害賠償・違約金は請求できない(48条4項) | 返還なら通常の使用料相当額まで、返還されなければ販売価格相当額まで、引渡し前なら通常要する費用まで(49条6項) |
| 返還・引取りの費用 | 関連商品の販売を行った者の負担(48条5項) | —(49条6項の範囲内の精算) |
| 書面の根拠 | 規則94条1項の表二号、2項、3項 | 規則94条1項の表三号 |
中途解約の項では、関連商品が返還されたときの価額の評価が争点になりやすい部分です(裁判例の項を参照)。
使用・消費で解除できなくなる関連商品
クーリング・オフでは、一定の関連商品を使用・消費したときに、関連商品の契約だけは解除できなくなります(48条2項ただし書)。この例外は、広く認められるものではありません。条件を整理します。
使用・消費で解除できなくなる関連商品(施行令29条2項)
| 業種 | 例外に当たる関連商品 | 例外に当たらない関連商品 |
|---|---|---|
| エステ(一の項) | 人が摂取する動植物の加工品(医薬品を除く)、化粧品・石けん(医薬品を除く)・浴用剤 | 下着、電気や電磁波・超音波で皮膚を清潔にし美化する器具・装置 |
| 美容医療(二の項) | 別表第五第二号の商品の全部(口にする動植物の加工品、化粧品、歯を白くするためのマウスピース・漂白剤、美容を目的とする医薬品・医薬部外品) | — |
| 語学・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介 | なし | 書籍、記録媒体、ファクシミリ装置・テレビ電話装置、電子計算機、装身具など |
例外に当たらない商品は、使用していても、クーリング・オフで関連商品の契約を解除できます。
例外を主張するには、条件が三つあります。①契約書面を受領した後に使用・消費したこと、②事業者が使わせた場合を除くこと、③契約書面に、商品の名称と、使用・消費したら解除できない旨を、赤枠の中に赤字で書いていることです(48条2項ただし書、規則94条2項・3項)[1]。書面に書いていなければ、例外の主張は難しくなります。
訪問販売・電話勧誘販売にも似た仕組みがあり、使用・消費で価額が著しく減るおそれがある商品として政令(施行令16条・別表第三)で指定されたものは、使用・消費するとクーリング・オフができなくなります(特商法26条5項1号)。ただし、特定継続的役務提供の関連商品とは指定の範囲が別で、書面に書く必要があることも同じです(規則7条4項)[5]。
よくある漏れ:誤りと正しいやり方
関連商品の漏れは、実務でよく見られる順に三つに整理できます。そのほかに、特に起こりやすい三つを加えて、対比で示します。
書き方の例(一般的な例) 関連商品のよくある漏れ
名称・価格・販売条件が書面にない
理由概要書面・契約書面に、商品名・種類・数量が必要です(規則92条1項1号ハ、93条2項4号)。「返品不可」は、関連商品の解除を制限する特約で、不利な特約は無効です(48条8項)。
クーリング・オフで別契約と告げる
理由関連商品販売契約は、48条2項により、役務提供契約と同様に解除できます。解除に関する事項について不実のことを告げると、禁止行為(44条1項)に当たります。
中途解約時の精算
理由契約書面には、中途解約時の関連商品の解除に関する事項を書く必要があります(規則94条1項の表三号ハ〜ホ)。書いていない精算方法は、示した範囲を超えるおそれがあります。
推奨品と購入必須の混在
理由書面に購入必須と記載されたものが関連商品です。購入必須と説明しながら書面にない場合は、書面不備として行政処分や罰則の対象になりうると、消費者庁Q&Aは説明しています。
販売者が別会社
理由規則93条2項7号と、規則94条1項の表二号チ・表三号ニが、この記載を求めています。
例外の範囲の拡大
理由例外は別表第五第一号イ・ロと第二号に限られます。範囲外の商品に例外を適用する書き方は、不利な特約として無効になります(48条8項)。
裁判例と行政処分に見る関連商品
関連商品を巡る判断は、家庭教師派遣などの教材の事案で確認できました。いずれも簡易裁判所の判決で、他の事案に当然に当てはまるとはいえません。
裁判例教材の関連商品性と中途解約が認められた事例(家庭教師派遣)[6]
- 裁判所・判決日
- 名古屋簡易裁判所 平成15年10月10日
- 事件番号
- 平成15年(ハ)第973号
- 確認した場所と範囲
- 裁判所「裁判例検索」https://www.courts.go.jp/ の判決の頁(確認の範囲:全文。確認日:2026年10月23日)
事案の要旨家庭教師派遣の勧誘で自宅を訪問した事業者と、約69万円の教材を分割払いで契約した購入者に対し、保証会社が代位弁済をして求償を請求した事案です。
判断の要点契約書の控えにクーリング・オフの手続の記載があったため、期間経過後の内容証明は、クーリング・オフとしては無効と判断しました。しかし、家庭教師派遣は特定継続的役務提供、教材は関連商品に当たり、内容証明の趣旨には将来に向かって契約の効力をなくす意思が含まれるとして、中途解約(49条1項・5項)の効力を認め、請求を棄却しました。
事業者の実務への示唆クーリング・オフの期間が過ぎても、特定継続的役務提供の中途解約と、関連商品の解除は別に成り立ちます。通知の文面は、趣旨で読まれます。
裁判例関連商品の解除後の精算額が争われた事例(家庭教師派遣と教材)[7]
- 裁判所・判決日
- 東京簡易裁判所 平成16年12月22日
- 事件番号
- 平成16年(ハ)第965号
- 確認した場所と範囲
- 裁判所「裁判例検索」https://www.courts.go.jp/ の判決の頁(確認の範囲:全文。確認日:2026年10月23日)
事案の要旨家庭教師派遣契約と約52万円の教材の売買契約を、信販会社の立替払いで結んだ保護者が、契約を解除して教材の返還を希望し、信販会社が残りの割賦金を請求した事案です。
判断の要点裁判所は、教材をすべて関連商品と認め、解除の意思表示を認定しました。割賦販売法30条の4により、売買契約の解除を信販会社に主張できるとし、精算は、特商法49条6項1号を類推して、教材の通常の使用料相当額か、販売価格から返還時の価額を引いた額のうち高い方を基準としました。未使用の教材は使用料なし、使用済みで価値が低い教材は販売価格との差額としています。
事業者の実務への示唆関連商品の精算額は、使用したかどうかと、返還時の価額で変わります。クレジットを使った取引では、信販会社にも解除を主張される点に注意が必要です。決済別の整理は分割払い・カードにあります。
行政処分では、消費者庁が2026年1月29日に、体型を整える施術(エステ)と関連商品を販売する特定継続的役務提供業者に、業務停止命令(3か月)を出しました。違反の型は、「定期購入の商品なので契約回数が終わるまで解約できない」などと、関連商品のクーリング・オフ等ができないかのように告げたこと(不実告知、44条1項)と、断る意思を示した者への勧誘でした[8]。書面の記載と窓口の説明が一致していないと、不実告知として処分の対象になりうることを示しています。
業種ごとの書き方は、エステ向けの関連商品・物販の解説、エステ向けの特定継続的役務提供の解説、美容医療向けの特定継続的役務提供の解説にあります。業種別の判定はエステと美容医療、7業種の一覧は7業種の早見表、概要書面と契約書面の全体は概要書面と契約書面の事項で確認できます。
この書類の作成・点検は、事務所で承ります(料金のご案内)。
根拠・出典
本文の[1][2]などの番号は、この一覧の番号に対応しています。
- 条文特定商取引に関する法律42条2項・3項、48条1項〜5項・8項、49条1項・5項・6項、44条1項(e-Gov法令検索、法令ID:351AC0000000057) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特定商取引に関する法律施行令29条、別表第四、別表第五(e-Gov法令検索、法令ID:351CO0000000295) https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295確認日:2026年10月23日
- 消費者庁消費者庁「特定商取引法ガイド」Q&A(特定継続的役務提供)Q9〜Q12・Q13。関連商品の判断、包装を開けただけの扱い、下着の扱い、中途解約 https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/continuousservices.html確認日:2026年10月23日
- 条文特定商取引に関する法律施行規則92条、93条、94条、95条、96条(e-Gov法令検索、法令ID:351M50000400089) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000400089確認日:2026年10月23日
- 条文特定商取引に関する法律26条5項1号、同法施行令16条・別表第三、同法施行規則7条4項(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 裁判例名古屋簡易裁判所 平成15年10月10日判決(平成15年(ハ)第973号)。確認の範囲:全文。上級審の結果は未確認 https://www.courts.go.jp/hanrei/7607/detail4/index.html確認日:2026年10月23日
- 裁判例東京簡易裁判所 平成16年12月22日判決(平成16年(ハ)第965号)。確認の範囲:全文。上級審の結果は未確認 https://www.courts.go.jp/hanrei/8990/detail4/index.html確認日:2026年10月23日
- 消費者庁消費者庁 公表資料(特定継続的役務提供、2026年1月29日処分、1月30日公表)。違反の型:関連商品の解除に関する不実告知ほか https://www.caa.go.jp/notice/entry/044947/確認日:2026年10月23日
よくあるご質問
関連商品は、どの商品でも解除の対象になりますか。
なりません。関連商品は、役務の提供に際して購入する必要のある商品のうち、施行令の別表第五で指定されたものです(特商法48条2項、施行令29条1項)。書面に購入必須と記載したものが対象で、消費者が自分で選んで買う商品や、書面にない推奨品は関連商品に当たりません。
使用した化粧品や食品は、返品を断れますか。
エステの食品・化粧品・石けん・浴用剤と、美容医療の関連商品は、使用・消費するとクーリング・オフで解除できなくなる例外があります(施行令29条2項)。ただし、契約書面の受領後に使用し、事業者が使わせたのでなく、契約書面の赤枠に名称と旨を書いていることが条件です(規則94条2項・3項)。
下着や機器は、使用していても引き取る必要がありますか。
クーリング・オフの期間中は、必要です。下着や電気刺激の器具・装置、書籍、記録媒体、電子計算機などは使用・消費の例外の対象外なので、使用していても関連商品の契約を解除できます。消費者庁のQ&Aも、下着は例外の対象でない旨を説明しています。
期間を過ぎた中途解約でも、関連商品は戻せますか。
戻せます。役務提供契約を中途解約したときは、関連商品販売契約も解除でき(特商法49条5項)、事業者が請求できる額は、返還されれば通常の使用料相当額まで、返還されなければ販売価格相当額までなど、49条6項で上限が決まります。
関連商品を、別会社が販売しているときの注意はありますか。
契約書面に、販売者の氏名又は名称・住所・電話番号・法人は代表者の氏名を書き、解除の申出先が事業者と異なるときはその旨と申出先を書きます(施行規則93条2項7号、94条1項の表二号チ)。解除の効果は、販売者に対しても生じます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所