定期購入・サブスクの特商法:解約の表示と、必要な書類

定期購入やサブスクは、物品か役務か、指定7役務に当たるかで守る書類が変わります。最終確認画面の表示、解約条件の書き方、自動更新条項、特定継続的役務提供との境目を、条文の順に整理します。

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「月額だから特定継続的役務ではない」と決めつけると、書面とクーリング・オフの対応が抜け落ちます。

このページの要点

  • 物品の定期購入と役務のサブスクは通信販売。確定画面に分量、対価、支払・引渡時期、申込期間、解約の条件を出し、継続契約の旨と金額・期間も表示する(12条の6第1項、規則23条7号)。
  • 指定7役務にあたり、提供期間が政令の期間を超え総額が5万円を超えるなら、月額払いでも特定継続的役務提供になり、概要書面・契約書面、クーリング・オフ、中途解約の規定に従う。
  • 自動更新の条項は消費者契約法10条の規制を受ける。更新の事前通知、解約の期限と方法の分かりやすさ、完了通知を設計する。
  • 「いつでも解約OK」の下に締切や条件がある表示は、解除に関する事項を誤認させる表示になりうる。広告・画面・規約・表記で同じ内容にする。

結論:定期購入・サブスクは通信販売が中心。ただし7つの指定役務に当たれば、特定継続的役務提供の書面と解約のルールが加わる

このページの結論

誰に当てはまるか
物品の定期便、会員制サービス、月額・年額のサブスクを、ネットの申込みで継続して提供する事業者。
何をすべきか
申込みを確定する画面に、定期購入であること、各回の対価と総額、期間、解約の条件を表示する。エステ、語学、学習塾など指定の7役務で、期間が要件を超え総額が5万円を超える契約は、概要書面・契約書面とクーリング・オフ、中途解約の規定に従う。
期限
通信販売の定期購入にクーリング・オフの期間はない。特定継続的役務提供に当たる契約は、契約書面を受け取った日から起算して8日はクーリング・オフができ(特商法48条1項)、その後も将来に向かって解除できる(49条1項)。

定期購入やサブスクという言葉は、特商法の用語ではありません。法律は、どのような商品を、どこで申込みを受けて、どれだけの期間と金額で提供するかで類型を決めます。このため、同じ「月額制」でも、物品の定期便、会員制のオンラインサービス、通い放題のサロンの会員権では、守る書類がそれぞれ異なります。[1]

実務で最も多い誤りは、「月額だから特定継続的役務提供ではない」と最初から決めてしまうことです。逆に、すべてのサブスクが特定継続的役務提供というわけでもありません。判断の順番は、まず物品か役務か、次に指定7役務に当たるか、最後に期間と金額の要件を超えるか、です。

結論の表:定期購入・サブスク

項目内容
当てはまる取引の類型
  • 物品の定期購入をネットで申込み
    → 通信販売(診断結果 R06)
  • 役務の継続提供(会員制・サブスク)をネットで申込み
    → 通信販売(診断結果 R07)
  • 指定7役務で、期間が要件超・総額が5万円超
    → 特定継続的役務提供(診断結果 R08)

指定役務の要件

  • どの項に当たるか(期間が1月又は2月を超え、かつ金額が5万円を超える)と、中途解約の上限は、7業種の早見表で確認できます。
当てはまらない場合の条件
  • 購入者が営業のために又は営業として契約する場合(名義でなく実質で判断)(特商法26条1項1号(訪問販売・通信販売・電話勧誘販売)、50条1項1号(特定継続的役務提供))
  • 期間・総額が要件以下(提供期間が政令の期間以下、又は総額が5万円以下)の場合は、特定継続的役務提供に当たらない(特商法41条1項、同法施行令24条)
必要な書類(要るもの・要らないもの)
  • 物品の定期購入をネットで申込み
    要=特商法に基づく表記・最終確認画面の表示/条件付き=返品特約の表示/任意=利用規約/不要=概要書面(申込み時の書面)・契約書面・赤枠・承諾書面(電子交付時)・商品・関連商品の記載
  • 役務の継続提供(会員制・サブスク)をネットで申込み
    要=特商法に基づく表記・最終確認画面の表示/条件付き=返品特約の表示/任意=利用規約/不要=概要書面(申込み時の書面)・契約書面・赤枠・承諾書面(電子交付時)・商品・関連商品の記載
  • 指定7役務で、期間が要件超・総額が5万円超
    要=概要書面(申込み時の書面)・契約書面・赤枠・商品・関連商品の記載/条件付き=承諾書面(電子交付時)/任意=利用規約/不要=返品特約の表示・特商法に基づく表記・最終確認画面の表示
クーリング・オフの期間
  • 物品の定期購入をネットで申込み
    なし(商品・特定権利は引渡しから8日の返品。広告に特約を表示すれば制限可。特商法15条の3)
  • 役務の継続提供(会員制・サブスク)をネットで申込み
    なし(役務は15条の3の対象外。返金条件は契約と広告で定める)
  • 指定7役務で、期間が要件超・総額が5万円超
    8日(特商法48条1項・2項)+8日経過後の中途解約(特商法49条1項)
中途解約の有無と上限
  • 通信販売:特商法に定めなし。解約・返金の条件は契約で定め、消費者契約法の規制を受ける(消費者契約法8条〜10条)
  • 特定継続的役務提供:あり。8日経過後はいつでも将来に向かって解除できる(特商法49条1項)。損害賠償等は政令の上限まで(特商法49条2項)

月額制だから特定継続的役務提供ではない、と決めつけることはできません。実態によって該当する場合があります。 診断の分かれ道は診断の結果、取引の類型ごとの一覧は7類型の早見表にあります。

定期購入・サブスクの3つの場合:守る書類の比べ方

場合返品・解約の規定申込み画面の表示書面の交付
物品の定期購入引渡しを受けた日から起算して8日の返品(特約の表示で制限可)。解約の条件は契約で定める(特商法15条の3第1項)分量、対価、支払・引渡時期、申込期間、解約の条件、継続契約の条件(特商法12条の6第1項、同法施行規則23条7号)契約書面の交付義務なし
役務の継続提供(会員制・サブスク)15条の3の対象外。解約と返金の条件は契約と広告で定める(消費者契約法の規制あり)同上契約書面の交付義務なし
指定7役務で、期間・金額が要件を超えるクーリング・オフ(特商法48条1項)と中途解約(49条1項)同上(通信販売の申込みの場合)概要書面(42条1項)、契約書面(42条2項)

表の「同上」の欄は、ネットの申込みだけで契約するときの扱いです。会場や通話で勧誘してから申込みを受ける導線は、別の類型になります。

判定の根拠:画面の表示、7役務の要件、自動更新条項

物品の定期購入と役務の継続提供:通信販売の表示義務

ネットの申込みだけで契約する定期購入は、通信販売です。通信販売の申込み画面(特定申込みを受ける映像面)には、分量と、広告の表示事項のうち価格、支払時期、引渡時期、申込期間、申込みの撤回または解除に関する事項を表示します(特商法12条の6第1項)。この条文の仕組みは、ネットショップのページで引用しています。[1]

定期購入に特有の事項は、主務省令に定めがあります。商品や役務の契約を二回以上続けて結ぶ必要があるときは、その旨と金額、契約期間などの販売条件を、広告に表示します。[3]

条文の引用特定商取引に関する法律施行規則 第23条第7号e-Gov法令検索(取得日:2026年10月23日)

「商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約を二回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件又は提供条件」

解説この「二回以上継続して締結する必要があるとき」が定期購入の典型です。条文は「その旨及び金額、契約期間」を求めているため、「初回980円」だけを大きく見せ、2回目以降の金額と回数を小さく書く表示は、この規定に沿っていません。消費者庁のQ&Aにも、定期購入の表示についての設問があります。

表示を誤認させることは、申込みの取消しの原因にもなります。分量や価格などの表示をしない、または不実の表示をすると、購入者は、誤認して行った申込みの意思表示を取り消せます(特商法15条の4第1項)。解約の条件を実際より緩く見せる表示も、解除に関する事項を誤認させる表示として問題になります。[1][8]

指定7役務に当たるか:期間と金額の要件

特定継続的役務提供は、指定された役務を、政令で定める期間を超えて提供することを約し、政令の金額を超える金銭を支払うことを約する契約です。条文を引用します。[1]

条文の引用特定商取引に関する法律 第41条第1項第1号e-Gov法令検索(取得日:2026年10月23日)

「…特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約…を締結して行う特定継続的役務の提供」

解説政令は、期間を役務ごとに定め、金額を5万円と定めています(特商法施行令24条)。[2]どちらも「超える」であり、ちょうどの場合は含みません。

特定継続的役務7業種の要件と中途解約の上限

項と役務期間・金額の要件中途解約の上限(提供開始後)提供開始前の費用の上限詳しいページ
一の項 エステティック期間が1月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)2万円又は契約残額の10%のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)2万円(施行令31条、別表第四)エステ
二の項 美容医療期間が1月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)2万円(施行令31条、別表第四)美容医療
三の項 語学の教授期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)1万5千円(施行令31条、別表第四)語学教室
四の項 学力の教授・家庭教師型期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)5万円又は1月分の役務の対価のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)2万円(施行令31条、別表第四)学習塾・家庭教師
五の項 学力の教授・学習塾型期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)2万円又は1月分の役務の対価のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)1万1千円(施行令31条、別表第四)学習塾・家庭教師
六の項 電子計算機・ワープロの操作の教授期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)1万5千円(施行令31条、別表第四)パソコン教室
七の項 結婚相手の紹介期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える(施行令24条1項・2項、別表第四)2万円又は契約残額の20%のいずれか低い額(施行令30条、別表第四)3万円(施行令31条、別表第四)結婚相談所

四の項と五の項は、上限の金額が違うため別の行にしています。要件は「期間が政令の期間を超え、かつ金額が5万円を超える」で、いずれも『超える』です(特商法41条1項、施行令24条)。

この判断で、サブスクが特に迷いやすい点は二つです。第一は、期間をどう数えるかです。通達は、期間を書面に記載された提供期間で判断し、有効期限のあるチケット制は期限を提供期間とみなし、期限のないものは特段の事情がなければ常に政令の期間を超えるものとして扱うとしています(通達第4章1(1))。[7][5]

第二は、金額をどう数えるかです。入学金、入会金、施設利用料、カウンセリング料のほか、役務の提供に際して購入が必要な商品の代金を含めた総額で判断し、役務が無料でも抱き合わせの商品と合計して5万円を超えれば該当する、と通達は説明しています。[7]

月謝制については、消費者庁のQ&Aが、月ごとに契約が更新される形の学習塾は原則として対象外としつつ、実態によって判断するとしています(Q27)。「月額だから対象外」と断定せず、更新が実質的に自動で、当初から長期の利用が前提になっていないかを、契約書面の記載と運用の両方で確認します。[5]

7役務に当たる場合は、概要書面と契約書面の交付が必要です(特商法42条1項・2項)。クーリング・オフは契約書面を受け取った日から8日、その後は将来に向かって中途解約でき、解除時の損害賠償等は政令の上限までです(48条・49条)。7業種ごとの要件と上限は7業種の早見表、考え方は特定継続的役務の7業種にあります。消費者庁のガイドも、7役務、金額と期間の要件、書面、クーリング・オフ、中途解約をまとめて説明しています。[1][6]

自動更新条項:消費者契約法10条

自動更新の条項は、特商法ではなく消費者契約法の規制を受けます。条文は、消費者が何もしないことを新たな契約の申込みや承諾の意思表示とみなす条項を、例として挙げています。[4]

条文の引用消費者契約法 第10条e-Gov法令検索(取得日:2026年10月23日)

「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」

解説自動更新の条項があるだけで無効になるわけではなく、「信義則に反して消費者の利益を一方的に害するか」が個別に判断されます。更新の事前の通知、解約の期限と方法の分かりやすさなど、更新を知る機会と解約する機会が確保されているかが、判断の材料になります。

よくある誤り→正しいやり方

定期購入・サブスクの表示と規約で、見直しの頻度が高い順に並べます。

1 「月額なので特定継続的役務提供ではない」と断定する

規約や社内資料に「月額制のため特定継続的役務提供には当たらない」と書く例があります。しかし、指定7役務のどれかに当たり、提供期間と総額が要件を超えるなら、月額払いであっても該当します。期間は書面に記載された提供期間で判断されるため、更新を重ねる前提の契約の見方は、契約書面と運用の整理が必要です。

正しいやり方は、判断の過程を残すことです。①提供する役務が指定7役務に当たるか、②提供期間の書き方、③入会金や教材を含む総額が" + Y5 + "を超えるか、の3点を順に確認して記録し、該当しないなら、その理由が説明できる状態にします。

2 最終確認画面に、更新・課金日・解約期限・解約方法・無料期間後の価格が出ない

確定ボタンの画面に、初回の価格だけが大きく出て、2回目以降の価格、課金の周期、解約できる期限、解約の方法が別のページにしかない構成は、12条の6第1項と、規則23条7号に沿っていません。無料期間があるなら、無料期間の終了日と、終了後の価格もここに出します。

3 自動更新の事前通知がない、解約を問い合わせ窓口に限る

更新の事前通知を法律が一律に義務付けているわけではありません。ただ、更新に気づく機会がなく、解約の方法が電話だけ、営業時間が短いといった設計は、消費者契約法10条の検討に結び付きます。また、解約を申し出た人に、事実と違う解約条件を告げて思いとどまらせれば、特商法13条の2の不実の告知の禁止に触れるおそれがあります。

解約は、申込みと同じ手段(会員ページのボタン、フォームなど)で完結できるようにし、解約を完了したときに、完了の通知を送る運用が、トラブルを減らします。[1][4]

4 更新後の返金不可と、解約時の不利益の表示が合っていない

「期間の途中で解約しても返金はしません」という規定と、「いつでも解約できます」という広告が両立しているかを確認します。解約はできるが日割りの返金はない、という設計なら、そのとおりに広告と画面に書きます。特定継続的役務提供に当たる契約では、中途解約時の精算に政令の上限があり、上限を超える部分は請求できません(特商法49条2項。契約書面の記載事項は42条2項6号)。[1]

5 「いつでも解約できます」と書きつつ、締切や条件がある

広告の「いつでも解約OK」の下に、小さく「次回更新日の7日前まで」と書く構成は、解約の条件を誤認させる表示になりえます。申込み画面で解除に関する事項を誤認させる表示は、12条の6第2項で禁止され、取消しの対象にもなります(15条の4)。締切は、広告と同じ大きさ、同じ場所に出します。

6 年額と月額の切替え、プラン変更の精算を定めていない

年額プランから月額プランに変えたときの返金、上位プランに変えた日の差額の扱いが、規約にないと、問い合わせのたびに対応が変わります。変更の時期、差額の計算方法、返金の有無を条項にして、画面にも要点を表示します。

書き方の例(一般的な例) 解約の表示(役務のサブスク)

解約の条件

よくある書き方いつでも解約OK!(※条件あり)
整えた書き方ご解約は、次回更新日の前日23時59分まで、会員ページの『解約』ボタンから手続できます。更新日を過ぎた場合は、翌月分が請求されます。

理由締切・方法・結果(請求の有無)まで、広告と同じ場所で書くと、誤認させる表示になりにくい。

無料期間

よくある書き方7日間無料でお試し
整えた書き方無料期間は7日間です。その翌日から月額○円(税込)が自動で請求されます。無料期間中に解約すれば請求はありません。

理由無料期間の終了後の価格と、請求が始まる時期を、確定ボタンの画面に出す。

書類の作り方の要点

書類は、申込み画面、特商法に基づく表記、規約の3点で、同じ内容を異なる詳しさで書く、という考え方で組み立てます。指定7役務に当たる場合は、これに概要書面と契約書面が加わります。

申込みの確定画面に出す項目(定期購入・サブスク)

  • 定期購入または継続契約であること(初回だけの購入ではないこと)
  • 各回の対価(初回と2回目以降が違えば、それぞれ)と、支払の時期・方法
  • 契約期間、または回数(縛りがあるか、いつでもやめられるか)
  • 総額(回数が決まっている場合)。回数が決まらない場合は、請求の周期
  • 商品の引渡時期、役務の提供時期(期間または期限で)
  • 解約の条件:方法、締切、解約した場合に請求が止まる時期、違約金や精算の有無
  • 無料期間があるときは、無料期間の終了日と終了後の価格
  • 申込みボタンの表示が、申込みであることが分かる文言になっているか

この一覧の根拠は、12条の6第1項(分量と11条1号から5号の事項)と、規則23条7号(継続契約の条件)です。[1][3]号ごとの一覧は申込みフォーム、表記の記載事項は特商法に基づく表記のページにあります。

規約には、更新と解約の条項を置きます。ここでは、論点ごとの条文の例を示します。具体的な数字は、事業の実態に合わせて決めます。

条文例

自動更新と解約(役務のサブスク)

  1. 本サービスの利用期間は申込みの日から1か月とし、会員が更新日の前日までに解約の手続をしないときは、同じ条件でさらに1か月更新されます。
  2. 当社は、更新日の7日前までに、会員が登録した連絡先に、更新の予定日、更新後の料金、解約の方法を通知します。
  3. 会員は、会員ページの解約ボタンから、いつでも解約を申し出ることができます。更新日の前日までに申し出た場合、次の期間の料金は発生しません。
  4. 解約の手続が完了したときは、当社は完了した旨を会員に通知します。

この例は、事前通知、解約の方法、完了通知を一つの規定にした骨組みです。特定継続的役務提供に当たるときは、これとは別に、特商法49条の中途解約と精算の定めに従います。

指定7役務に当たる場合は、概要書面(概要書面)、契約書面(契約書面の事項)、クーリング・オフの赤枠(赤枠の一覧)、関連商品の書面(関連商品の書面)を整えます。ネットの申込みでも、契約書面の交付は必要になります。書面を電子データで交付する場合の承諾の取り方は、承諾書面のページで確認します。

関係する判例・処分事例・相談事例

自動更新や更新時の費用をめぐる裁判例は、賃貸借やチケットの事案が中心で、サブスクそのものを判断したものではありません。事案の違いを明記して、考え方の材料として整理します。

裁判例更新料条項と消費者契約法10条(賃貸借契約の事案)[9]

裁判所・判決日
最高裁判所第二小法廷 平成23年7月15日
事件番号
平成22年(オ)第863号(民集65巻5号2269頁)
確認した場所と範囲
裁判所「裁判例検索」https://www.courts.go.jp/ の判決詳細ページ(判示事項・裁判要旨)(確認の範囲:要旨のみ。確認日:2026年10月23日)

事案の要旨賃貸借契約の契約書に定められた更新料の条項が、消費者契約法10条により無効となるかが争われた。

判断の要点最高裁は、10条が憲法29条1項に違反しないとしたうえで、契約書に一義的かつ具体的に書かれた更新料の条項は、更新料の額が賃料や更新期間との関係で高すぎるといった特段の事情がなければ、10条にいう「消費者の利益を一方的に害するもの」にはあたらない、と判断した。

事業者の実務への示唆条項の金額と趣旨を契約書に明確に書くこと、額が合理的な範囲にあることが重視される、という考え方の参考になる。ただし賃貸借の事案であり、サブスクの自動更新にそのまま当てはまるとは言えない。

裁判例キャンセル不可条項と消費者契約法9条・10条(入場チケットの事案)[10]

裁判所・判決日
大阪高等裁判所 令和6年12月19日
事件番号
令和5年(ネ)第1812号(原審:大阪地方裁判所 令和5年7月21日判決 令和1年(ワ)第9185号)
確認した場所と範囲
裁判所「裁判例検索」https://www.courts.go.jp/ の判決詳細ページ(確認の範囲:当裁判所の判断部分(主要部分)。確認日:2026年10月23日)

事案の要旨テーマパークの入場チケットをネットで売る際の規約に、法令上の解除・無効の事由がなければキャンセルを認めないとする条項などがあり、適格消費者団体が、消費者契約法9条・10条に該当するとして差止めを求めた。

判断の要点控訴審は、キャンセル不可の条項について、転売目的の高額な購入を防ぐ狙いに合理性があること、サービスと個々の利用権が一対一で結び付いていないこと、キャンセルを認めれば提供に要した費用を回収できなくなるおそれがあることなどを理由に、10条後段にも該当しないと判断した。

事業者の実務への示唆「購入後のキャンセル不可」が直ちに無効になるわけではなく、契約の性質、条項の目的の合理性、法令上の解除・無効事由を除外する旨の明記が判断の材料になる。個別の費用が発生する講座やオーダー型の役務では、判断が異なりうる。なお、この当裁判所の判断は、上級審の結果を確認しておらず、その裁判所の判断として読む。特商法のクーリング・オフや中途解約は、この条項設計とは別に法律で認められる。

行政処分では、2026年3月に消費者庁が、美容クリーム等の定期購入を扱う通信販売事業者3社に対し、業務停止命令(6か月)などの措置を行いました。消費者庁の執行状況の一覧によれば、違反の型は、誇大広告(特商法12条)と、特定申込みの画面での誤認表示(12条の6第2項)です。定期購入の条件が確定画面で見えるか、という点が処分の中心にあります。[13]

相談の数字では、通信販売での定期購入の相談が、2023年度の80,315件、2024年度の89,401件、2025年度の93,065件と増えています(PIO-NETの件数。経由相談を除く)。[11]2025年度の販売方法・手口別でも、定期購入はインターネット通販に次いで2位に挙げられています。[12]

国民生活センターが挙げる事例には、1回限りと思って注文したら定期購入で、解約すると定価との差額を求められた例、初回が安い商品の追加の「まとめ買い」が複数回の継続購入の条件だった例、「回数縛りなし」の表示を見て注文したのに2回目が届いた例があります。事業者側が防ぐには、確定ボタンの画面で、回数・総額・解約の条件を、訴求と同じ大きさで見せることです。[11]

ヒヤリングで確かめること

確かめる問いと理由書類を決める前に、まず次を確認します

  1. 提供するのは、物品の定期便か、役務の継続提供か。

    物品は通信販売の返品の規定(15条の3)の対象になりえます。役務は対象外です。

  2. 役務は、指定7役務(エステ、美容医療、語学、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介)のどれかに当たるか。

    当たらなければ特定継続的役務提供ではありません。名称でなく、教えている内容・施術の実態で判断します。

  3. 契約書面や申込みに記載する提供期間は、いつからいつまでか。回数券や有効期限はあるか。

    期間は書面に記載された提供期間で判断します。期限のないチケットは、特段の事情がなければ政令の期間を超える扱いです。

  4. 入会金、教材、機器、サプリなど、総額に入るものは何か。無料の役務に商品を組み合わせていないか。

    金額は総額で数えます。

  5. 更新の周期、更新日、無料期間の有無、初回と2回目以降の価格は。

    確定画面と表記に出す内容の元になります。

  6. 解約の方法、締切、完了通知、解約後の請求の止まり方は。

    広告・画面・規約で同じにします。

  7. 申込みの入口に、通話や会場での勧誘はあるか。

    あれば、その導線は電話勧誘販売または訪問販売で、クーリング・オフがあります。

業種サイトの詳しい記事

定期購入・サブスクについて、各業種サイトの詳しい記事を案内します。

サイト内では、ネットショップ全体の書類はネットショップ、7業種の判断は特定継続的役務の7業種、返金しない特約は返金しない特約の裁判例、広告文言は広告・LPの表示にまとめています。診断で自分の取引を確かめるには診断の結果が便利です。

根拠・出典

本文の[1][2]などの番号は、この一覧の番号に対応しています。

  1. 条文特定商取引に関する法律(特商法)11条・12条の6・13条の2・15条の3・15条の4・41条1項・42条・48条・49条(現行版の施行日2026年8月12日) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
  2. 条文特定商取引に関する法律施行令24条(特定継続的役務提供の期間及び金額)・別表第四 https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295確認日:2026年10月23日
  3. 条文特定商取引に関する法律施行規則23条(通信販売についての広告) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000400089確認日:2026年10月23日
  4. 条文消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061確認日:2026年10月23日
  5. 消費者庁消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供Q&A(Q2 期間と金額、Q3 チケット制、Q27 月謝制の学習塾) https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/continuousservices.html確認日:2026年10月23日
  6. 消費者庁消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供のページ https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/確認日:2026年10月23日
  7. 消費者庁通達「特定商取引に関する法律等の施行について」(令和6年11月19日付)第4章 1(1)・(2)(PDF 82〜83頁) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms101_2401119_01.pdf確認日:2026年10月23日
  8. 消費者庁消費者庁「特定商取引法ガイド」通信販売広告Q&A(定期購入の表示に関する設問) https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/advertising.html確認日:2026年10月23日
  9. 裁判例最高裁判所第二小法廷 平成23年7月15日判決(平成22年(オ)第863号、民集65巻5号2269頁)。裁判所「裁判例検索」の判示事項・裁判要旨で確認(要旨のみ) https://www.courts.go.jp/hanrei/81506/detail2/index.html確認日:2026年10月23日
  10. 裁判例大阪高等裁判所 令和6年12月19日判決(令和5年(ネ)第1812号、消費者契約法による差止請求控訴事件)。裁判所「裁判例検索」で当裁判所の判断部分を確認。原審:大阪地方裁判所 令和5年7月21日判決(令和1年(ワ)第9185号) https://www.courts.go.jp/hanrei/93729/detail4/index.html確認日:2026年10月23日
  11. 国民生活センター国民生活センター「通信販売での定期購入」(各種相談の件数や傾向。2026年7月31日更新。2023年度80,315件、2024年度89,401件、2025年度93,065件。経由相談を除く) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/subscription_traps.html確認日:2026年10月23日
  12. 国民生活センター国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況-PIO-NETより-」(2026年8月5日公表。販売方法・手口別の順位) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260805_1.html確認日:2026年10月23日
  13. 消費者庁消費者庁の通信販売に関する行政処分(処分日2026年3月23日・26日、公表同月27日。美容クリーム等の定期購入。違反の型は消費者庁の執行状況一覧の記載による) https://www.caa.go.jp/notice/entry/045634/確認日:2026年10月23日

よくあるご質問

月額制のサブスクは、特定継続的役務提供に当たりませんか。

月額制だからという理由では決まりません。指定7役務のどれかに当たり、提供期間が政令の期間を超え、総額が5万円を超えるなら該当します。月ごとに契約が更新される形かどうか、当初から長期の利用が前提になっていないか、総額に何が含まれるかを、実態で確認します。

定期購入の最終確認画面には、何を表示すればよいですか。

分量と、価格、支払時期、引渡時期、申込期間、申込みの撤回または解除に関する事項を表示します(特商法12条の6第1項)。契約を二回以上続けて結ぶ必要があるときは、その旨と金額、契約期間も広告に表示します(同法施行規則23条7号)。

自動更新の条項は、置いてはいけませんか。

置くこと自体は禁止されていません。ただし、消費者が何もしないことを申込みとみなす条項は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであれば、消費者契約法10条により無効になります。更新の事前通知と、解約の期限・方法が分かりやすいことが、判断の材料になります。

役務のサブスクに、商品と同じ返品の規定は適用されますか。

特商法15条の3は、商品と特定権利の通信販売に関する規定で、役務は対象外です。役務の解約と返金の条件は、契約と広告で定め、表示に不実のことがあれば12条の6や13条の2が問題になります。

無料期間を設けるときの注意は。

無料期間の終了日と、終了後の価格、請求が始まる時期を、確定画面の目につく場所に表示します。無料の役務に商品を組み合わせると、総額が5万円を超えるかの判断では、その商品の代金も含めて数えます。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所

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