このページの要点
- 類型はSNSの入口でなく、その後の勧誘と申込みの手段で決まる。メッセージのみは通信販売、通話・Web会議の勧誘は電話勧誘販売、説明会での申込みは訪問販売。
- 勧誘目的を告げずに通話や来訪を要請する誘い方は、電話勧誘販売(令2条1号)でも訪問販売(6条4項、令5条)でも制限される。
- 通話の冒頭には、事業者名・勧誘者名・商品の種類・勧誘の目的を告げ、断られたら勧誘を続けない(16条・17条)。
- クーリング・オフの通知は電磁的記録でも行え、SNSでの連絡を不合理に除く特約は無効になりうる。
結論:SNSは入口にすぎない。類型は入口のあとの「勧誘と申込みの手段」で決まる
このページの結論
- 誰に当てはまるか
- SNSの投稿・広告、DM、公式LINEなどでお客様に接触し、講座やサービスを個人に販売する事業者。接触した後に通話・Web会議・説明会へ誘う流れがある場合は特に当てはまります。
- 何をすべきか
- SNS上の接触から申込みまでの道筋を書き出し、分かれ道ごとに類型を決める。通話やWeb会議へ誘う分岐には、冒頭の告知・再勧誘の禁止・契約書面と赤枠をそろえる。勧誘目的を隠した誘い方はしない。
- 期限
- 電話勧誘販売と訪問販売は書面を受け取った日から8日。通信販売にはクーリング・オフがない。分岐を見落とすと、書面を渡していない期間が続く。
SNSは、お客様と出会う場所です。ただし、特定商取引に関する法律(以下「特商法」)の類型を決めるのは、出会った場所ではなく、そのあとでどんな手段で勧誘し、どう申込みを受けたかです[1]。SNS広告からメッセージで直接申込みを受ければ通信販売、同じ広告から通話やWeb会議に誘って勧めれば電話勧誘販売、説明会に呼べば訪問販売というように、一つの入口から複数の出口が分かれます。
下の表は、SNSの入口から出ていく典型的な四つの分かれ道を、類型・書類・期間とともにまとめたものです。自社の運用がどの行に当たるかを探し、複数に当たる場合は、すべての行の書類をそろえます。
結論の表:SNS・DMからの勧誘
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 当てはまる取引の類型 | |
| 当てはまらない場合の条件 |
|
| 必要な書類(要るもの・要らないもの) |
共通して確認するもの
|
| クーリング・オフの期間 |
|
| 中途解約の有無と上限 |
|
SNSは入口にすぎず、類型は入口のあとの申込みの受け方で決まります。 診断の分かれ道は診断の結果、取引の類型ごとの一覧は7類型の早見表にあります。
SNSの導線で最も見落としやすいのは、「相談だけ」「面接」「診断」などの名目で通話や来訪へ誘うやり方です。勧誘が目的であることを告げずに誘う行為には、類型ごとに制限があります。この点は、次の「判定の根拠」で条文に戻って確認します。
導線全体の考え方はオンライン講座のページに、通話勧誘の告知と再勧誘の禁止は勧誘前の明示と再勧誘の禁止に整理しています。診断の分かれ道は診断の結果(電話勧誘販売)と診断の結果(通信販売)、類型ごとの比較は7類型の早見表で見られます。
判定の根拠:入口と出口を分けて当てはめる
SNS導線を条文に当てはめる順番は、「どこまでをメッセージで済ませるか」「どこから通話・会議・来訪に移るか」を決め、移る地点ごとに類型を判断することです。流れは次のとおりです。
SNS導線から類型を決める流れ
- 1
購入者は営業のために又は営業として契約するか(実質で判断する)
はい訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の規定が適用されない可能性。実質を確かめて記録する
いいえ次の問いへ
- 2
DMや公式LINEで、通話・会議・来訪へ誘うことなく、メッセージのやり取りだけで勧誘し、申込みを受けるか
はい通信販売。広告の表示と最終確認画面の表示が中心になる
いいえ次の問いへ
- 3
メッセージのあとに、通話やWeb会議で勧誘して申込みを受けるか(URLを事業者が送る場合を含む)
はい電話勧誘販売。冒頭の告知、再勧誘の禁止、契約書面、赤枠が要る
いいえ次の問いへ
- 4
説明会・セミナー・事務所などへ呼び、そこで勧誘して申込みを受けるか
はい訪問販売。勧誘の目的を告げずに呼び出して勧誘することは禁止される
いいえ上のいずれにも当たらなければ通信販売
最初の問いで営業のための契約に当たる場合でも、実質を確かめる前提です。入口がSNSであることは、この流れの判断に影響しません。
メッセージだけで完結する導線は通信販売
DMや公式LINEの文面で勧誘し、LINEのフォームや決済ページで申込みを受けるだけなら、通信販売です。通信販売には、クーリング・オフの規定がありません。そのかわり、広告に販売条件や撤回・解除に関する事項を表示し、申込みの最終確認画面で誤認させる表示をしないことが求められます[13][5]。
ここで注意するのは、DMやメッセージも広告になりうることと、メールやSMSで広告を送る場合の承諾の規定です。メールや携帯電話番号宛のメッセージで通信販売の広告を送るには、相手の承諾または請求がある場合などを除き、承諾を得ないで送ってはならず、送った相手が拒否したあとは送ってはなりません(12条の3)[14][2]。SNS上の投稿やコメントは、広告の表示義務の面から見直します。
通話・Web会議へ誘導する導線は電話勧誘販売
DMや公式LINEで接触してから、通話やWeb会議で勧める導線は、電話勧誘販売になります。電話勧誘販売の定義は、事業者が自分で電話をかける、または政令の定める方法で相手に電話をかけさせ、その電話で勧誘し、郵便等による申込みを受けることです。詳しい定義の読み方はオンライン講座のページで引用しているので、ここではSNSに特有の点だけを見ます。
SNSに特有なのは、「電話をかけさせる方法」の中身です。令2条1号は、広告やウェブページなどによって、契約の勧誘が目的であることを告げずに電話をかけるよう要請することを挙げます。この「電磁的方法」の範囲は規則3条が定めており、その三号は「受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信」を送信する方法を含みます[3][2]。
「…第二条第一号及び第二号、第五条並びに第十九条の電磁的方法は次に掲げるものとする。」
「三 前各号に規定するもののほか、その受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。)を送信する方法(他人に委託して行う場合を含む。)」
消費者庁は、SNSで事業者に連絡し、Web会議ツールの会議に参加したところ、相談の途中で別の商材を勧められて購入した事例について、電話勧誘販売に当たる場合の考え方を示しています[4]。インターネット回線の通話は映像を伴う場合も「電話」に当たり、事業者がURLを送れば「電話をかけ」たと考えられること、買い手が購入のために通話を求めたのでなければ、契約のために電話をかけることを請求した人への例外は働かないことが、その中心です[4][5]。
「販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。」
「販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。」
説明会・事務所へ呼ぶ導線は訪問販売。目的を隠した誘い方は禁止される
DMで説明会、体験会、面接、事務所への来訪を促し、その場で申込みを受ける導線は、場所が営業所等以外か、営業所等でも特定顧客に当たるかで訪問販売になります。訪問販売のクーリング・オフは、書面を受け取った日から8日です(特商法9条1項)[10]。
「販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。」
「法第六条第四項、第三十四条第四項及び第五十二条第三項の政令で定める方法は、電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ装置を用いて送信する方法若しくは電磁的方法により、若しくはビラ若しくはパンフレットを配布し若しくは拡声器で住居の外から呼び掛けることにより、又は住居を訪問して、営業所その他特定の場所への来訪を要請する方法とする。」
来訪を勧誘目的を告げずに要請し、公衆の出入りしない場所で勧めることは、訪問販売の禁止行為ですが、連鎖販売取引(34条4項)と業務提供誘引販売取引(52条3項)にも同じ型の禁止があります。SNSで「仕事を紹介する」「収入の説明会」と誘う導線は、連鎖販売や業務提供誘引販売の検討が必要で、副業・投資スクールと紹介報酬つき販売のページに整理しています。
営業のための契約の確認
SNSの導線でも、買い手が営業のために契約する場合は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の規定が適用されない可能性があります(26条1項1号)。ただし、収入を得る目的があるだけでは「営業のために」には当たらず、取引への習熟の程度などを総合して判断するとされています[11][12]。副業をうたって集めた個人を、名義だけで対象外にする運用は避けてください。詳しくは事業者間契約の適用除外で扱っています。
よくある誤り→正しいやり方
SNS導線の書類で目立つ誤りを、よく見られる順に並べました。対比の左は誤りの型の一般的な例で、特定の事業者を指すものではありません。
書き方の例(一般的な例) 中途解約・返金・表示・電子交付の書き方
中途解約の条項
電子交付と承諾
理由書面の電子提供には買い手の承諾が必要です(18条2項)。承諾の手続に不備があれば、書面を交付したことにならず、クーリング・オフの期間も進行しません[15][31][32]。
成果の断定表示
理由通信販売の広告では著しく優良とみせる表示が禁じられ(12条)、勧誘の場面では断定的判断の提供が取消しの原因になります(消費者契約法4条1項2号)[13][18]。
返金しない規約
理由消費者の利益を一方的に害する条項は、無効となります(消費者契約法10条)[19]。
書き方の例(一般的な例) 決済・清算・導線の見立ての書き方
分割払い導入後の書面と抗弁
理由割賦販売は、2か月以上の期間で3回以上に分けて受け取る販売で、指定役務に「技芸又は知識の教授」が含まれます。カード会社等への抗弁の主張も定められています[20][21]。
未消化分の清算
理由違約金などのうち平均的な損害を超える部分は、無効になります(消費者契約法9条1項1号)[19]。
SNS導線と特商法の整理自体がない
理由類型は導線で決まるため、導線図がなければ、どの書類が要るかを説明できません[1]。
書類の作り方の要点
SNS導線に特有の書類は、書面だけではありません。通話の台本、断られた後の運用ルール、広告文言の点検表、問い合わせ・解除の窓口が、導線ごとに必要です。書面そのものは書類別ページで扱います。
通話の冒頭に告げることと、断られた後の運用
通話の冒頭で告げる四つの事項(16条)
- 事業者の氏名または名称
- 勧誘を行う者の氏名
- 商品や役務の種類(講座名ではなく、何を売るのかが分かる種類)
- この通話が契約を勧誘するためのものであること
断られた相手への運用ルール(17条)
- 通話中に断る意思が示されたら、その場で勧誘をやめる
- 断られた事実を、日時とともに顧客管理の記録に残す
- 断られた相手に、翌日以降に通話や会議を促すDMを送らない
- 営業担当者に、断られたときの言い方(引き止めの禁止)を研修で徹底する
契約書面、赤枠、電子交付
通話で勧めた導線では、申込みを受けたときの書面(18条1項)と契約を締結したときの書面(19条1項)を渡します[15]。書面の記載事項は規則45条と54条にあり、解除に関する事項は赤枠の中に赤字で書きます[30]。電子で渡すには承諾が要り、承諾を得たことを証する書面の交付もあります。契約書面の事項、赤枠の一覧、承諾書面に、条文の号ごとの整理があります。
広告文言の点検と、通知の窓口
SNSの投稿やDMの文面は、そのまま広告・勧誘になります。点検は、成果の断定、価格や期間の表示、撤回・解除に関する事項の三点を中心にします。フォーム型の申込みの表示は申込みフォーム、特商法に基づく表記は特商法表記の事項に整理しています。
クーリング・オフの通知は、書面のほか電磁的記録でも行えます。消費者庁のQ&Aは、受け付ける方法を合理的な範囲で契約書面などに示すことはできる一方、SNSで連絡を取り合っていたのにSNSでの通知を認めないなど、不合理な限定は無効になりうる、という考え方を示しています[22]。公式LINEが日常の窓口なら、LINEに届いた通知も受け付ける運用を前提に、受付済みの連絡を返す手順を決めます。窓口の設計はメール・LINE通知に詳しく書いています。
通知の窓口と受付済みの連絡(論点ごとの条文例)
- 甲が本契約についてクーリング・オフ又は解約の通知をする場合は、書面又は電子メールのほか、乙が日常の連絡に用いている公式アカウントへのメッセージによることができる。
- 乙は、前項の通知を受けたときは、受領した旨を、通知を受けた方法により、甲に連絡する。
公式アカウントを受付窓口に含める場合は、受付時間外に届いた通知の扱い(受信した時に通知が発せられたものとして扱うなど)も運用で決めます。
関係する判例・処分事例・相談事例
電話勧誘販売の該当性(SNSから通話やWeb会議へ誘導した場合)を直接に判断した裁判例は、確認できたものがないため、載せていません。以下は、勧誘の方法に関する裁判所の決定、広告と勧誘の関係を示す最高裁判決、行政処分、相談の傾向です。
裁判例電話勧誘の方法が、組織的に問題とされた例[24]
- 裁判所・判決日
- 名古屋地方裁判所 平成18年9月25日(決定)
- 事件番号
- 平成18年(行ク)第24号
- 確認した場所と範囲
- 裁判所「裁判例検索」の決定詳細ページ(確認の範囲:全文。確認日:2026年10月23日)
事案の要旨電話勧誘販売で書籍や講座を販売していた事業者が、業務停止命令を受けるおそれがあるとして、その仮の差止めを求めた事案です。
判断の要点裁判所は、立入検査で得られた聴取結果、営業マニュアル、従業員のメモ、多数の苦情から、氏名等を告げない勧誘、契約しない意思を示した人への再勧誘、契約の必要性についての不実の告知、迷惑を覚えさせる勧誘が、組織的・継続的に行われていたと一応認め、申立てを却下しました。判断の条番号は平成18年当時のものです。
事業者の実務への示唆営業の台本や研修資料そのものが、勧誘方法の判断の材料になりえます。この決定は、電話勧誘販売に該当するかどうかを争った事案ではなく、仮の差止めの申立てに対する判断です。
裁判例不特定多数向けの広告が「勧誘」に当たる余地[25]
- 裁判所・判決日
- 最高裁判所第三小法廷 平成29年1月24日
- 事件番号
- 平成28年(受)第1050号(民集71巻1号1頁)
- 確認した場所と範囲
- 裁判所「裁判例検索」の判決詳細ページ(確認の範囲:判示事項・裁判要旨のみ。確認日:2026年10月23日)
事案の要旨事業者による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものでも、消費者契約法の差止請求(12条)にいう「勧誘」に当たるかが問われた事案です。
判断の要点裁判所は、働きかけが不特定多数向けであることから直ちに、「勧誘」に当たらないとはいえない、としました。判断の対象は差止請求にいう「勧誘」で、個別の取消権(4条)の「勧誘」と同じに扱えるかは別に検討する必要があります。
事業者の実務への示唆投稿やLPのような不特定多数向けの表現も、内容によっては勧誘として評価される余地があります。SNSの投稿文面を、成果の断定や不実の記載がないかの観点から点検する根拠になります。
行政処分では、消費者庁が2025年1月22日に、電話勧誘販売の事業者に対して業務停止命令(3か月)と指示を行いました[23]。公表資料によると、SNSの投稿をきっかけにメッセージアプリのIDを登録させ、通話のリクエストを受けて電話で勧誘していました。違反として問われたのは、勧誘に先立つ事業者名の不告知(16条)、契約内容を明らかにする書面の不交付(19条1項)、解約に関する不実の告知(21条1項)です[17]。SNSの入口から電話勧誘までの導線全体が、書類と運用の不備とともに問われた例で、防ぐには、導線ごとの告知・書面・解除の案内が必要でした。
相談の傾向は、国民生活センターの公表資料で確かめられます。ビジネス講座の相談は、2020年度の1,169件から2025年度の3,551件へ増え、以前はSNS広告をきっかけに通信販売で契約する例が多かったのに対し、近年はSNS広告で知った事業者からWeb会議サービスなどで勧誘されて契約する例がみられる、と述べられています[26](PIO-NET、経由相談を除く)。2025年度の通信販売の相談は382,721件、電話勧誘販売は66,768件でした[29]。
情報商材の相談(PIO-NET)は、2023年度が6,256件、2024年度が4,163件、2025年度が2,623件で、副業や投資のノウハウを通信販売で買わせたあと、電話やWeb会議で高額なコンサルやセミナーを勧誘する例が多い、とされています[28]。事業者側の予防としては、通信販売で売る教材と、後から勧誘する高額契約を別の取引として扱い、後者には電話勧誘販売または訪問販売の書面を整えることが中心になります。
また、就活生をめぐる事例では、SNS広告で見つけた無料カウンセリングのWeb会議でセミナーを勧められ、電子の契約書面に署名したあとで解約を申し出たところ、契約額の2割の解約料を請求された、と紹介されています[27]。無料の名目で入った場合も、有料サービスの勧誘であること、金額、解約条件を最初に示す運用が、予防の基本です。SNS広告をきっかけにした講座の相談では、広告の訴求と実際の内容の食い違いが挙げられており、訴求と内容を一致させることも防止策に当たります[26]。判決例・処分・相談件数の整理は、勧誘・広告の判例、行政処分の事例、相談件数と事例にあります。
ヒヤリングで確かめること
SNS導線の類型を決めるために、運用の事実を聞き取り、記録に残します。
確かめる問いと理由SNS導線を確かめる問い
広告・投稿の現物と掲載媒体は何ですか。広告の訴求(成果・価格・期間)は、どう書かれていますか。
広告の表示義務と、成果の断定表示の点検のためです。
お客様と最初に連絡を取るのは、お客様側ですか、事業者側ですか。DMや公式LINEの自動応答は、どんな内容ですか。
勧誘の入口と、自動応答が勧誘に当たるかを確かめます。
通話・Web会議へ誘う文面は、どう書かれていますか。勧誘の目的は、誘いの段階で告げていますか。会議のURLは誰が送りますか。
令2条1号の「勧誘をするためのものであることを告げずに」に当たらないかを確かめます。
通話の冒頭で、事業者名・担当者名・商品の種類・勧誘の目的を告げる台本がありますか。断られた後の運用は決まっていますか。
16条・17条の運用を点検するためです。
申込みの方法は何ですか(フォーム、LINE、書面)。書面はいつ、誰が渡していますか。
起算点となる書面の交付時期を確かめます。
LINEや公式アカウントで解約の連絡を受け付けていますか。受付後の連絡はどうしていますか。
通知窓口の設計と、不合理な限定の有無を確かめます。
業種サイトの詳しい記事への案内
SNS導線の実務は、営業支援・講座・コーチングなどの業種サイトで詳しく扱っています。
- 営業代行・クロージングと特定商取引法:電話勧誘販売の定義、Web会議の個別相談、事業者性の確認
- フォーム営業・DM・手紙営業の代行契約書と利用規約:宛先リストの個人情報と、文面の責任
- 公式アカウント構築・メルマガ配信代行の契約書:配信の同意と停止、登録者データの帰属
- 歩合制の営業委託契約書の作り方:個人の営業員に勧誘を任せるときの報酬と責任
- テレアポ代行の契約書:有効アポの定義と、リストの扱い
- Zoom個別相談・無料セミナーと電話勧誘販売:通話冒頭の告知と再勧誘の禁止
- コーチングの体験セッション・紹介特典・出張費の定め方:体験からの勧誘の整理
- 高額カウンセリング・コーチング契約とクーリング・オフ:条項の無効・取消し・返金の整理
商品別の当てはめは、オンライン講座、コーチング、高額コンサルのページを参照してください。
根拠・出典
本文の[1][2]などの番号は、この一覧の番号に対応しています。
- 条文特定商取引に関する法律(以下「特商法」)2条1項〜3項(訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の定義) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文規則3条(令1条・2条・5条・19条の「電磁的方法」)、27条(電子メール広告に係る電磁的方法) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000400089確認日:2026年10月23日
- 条文特商法施行令(以下「令」)2条(電話をかけさせる方法)、19条(電話をかけることを請求させる行為) https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295確認日:2026年10月23日
- 消費者庁特定商取引法ガイド「電話勧誘販売の解釈に関するQ&A」Q5(SNSからWeb会議ツールへ誘導された事例) https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/telemarketing.html確認日:2026年10月23日
- 消費者庁通達「特定商取引に関する法律等の施行について」(令和6年11月19日付、PDF頁は本文中に記載) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms101_2401119_01.pdf確認日:2026年10月23日
- 条文特商法16条(電話勧誘販売における氏名等の明示)、17条(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法22条1項(電話勧誘販売に係る主務大臣の指示) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法3条(訪問販売における氏名等の明示)、6条4項(勧誘目的を告げない誘引の禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文令5条(勧誘目的を告げない誘引方法) https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295確認日:2026年10月23日
- 条文特商法9条1項・2項・3項・8項(訪問販売のクーリング・オフ) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法26条1項1号(営業のための契約の適用除外)、26条7項1号(電話をかけることを請求した者に対する電話勧誘販売の適用除外) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 消費者庁特定商取引法ガイド「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」Q1(営業のために若しくは営業としての契約) https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/exclusion.html確認日:2026年10月23日
- 条文特商法11条5号(通信販売の広告における撤回・解除に関する事項の表示)、12条(誇大広告等の禁止)、12条の6(特定申込みを受ける際の表示)、15条の3第1項(通信販売の契約の解除等) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法12条の3第1項(承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供の禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法18条1項・2項(電話勧誘販売における申込み時の書面の交付と電磁的方法による提供)、19条1項(契約を締結した場合の書面の交付) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法24条1項〜3項・8項(電話勧誘販売のクーリング・オフ) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文特商法21条1項(電話勧誘販売における不実告知の禁止)・3項(威迫の禁止) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057確認日:2026年10月23日
- 条文消費者契約法2条1項(消費者の定義)、4条1項(誤認による取消し) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061確認日:2026年10月23日
- 条文消費者契約法8条1項・9条1項1号・10条(事業者の責任を免除する条項・平均的な損害を超える違約金条項・消費者の利益を一方的に害する条項の無効) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061確認日:2026年10月23日
- 条文割賦販売法2条1項1号(割賦販売の定義)、同法施行令別表第一の三第十一号(指定役務) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159確認日:2026年10月23日
- 条文割賦販売法30条の4(包括信用購入あつせん業者に対する抗弁)、割賦販売法35条の3の19(個別信用購入あつせん業者に対する抗弁) https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159確認日:2026年10月23日
- 消費者庁特定商取引法ガイド「電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/coolingoff.html確認日:2026年10月23日
- 消費者庁電話勧誘販売に係る業務停止命令等の公表(処分日2025年1月22日) https://www.caa.go.jp/notice/entry/040837/確認日:2026年10月23日
- 裁判例名古屋地方裁判所 平成18年9月25日決定(平成18年(行ク)第24号。仮の差止命令申立事件)。裁判所「裁判例検索」で確認(確認の範囲:全文) https://www.courts.go.jp/hanrei/33813/detail4/index.html確認日:2026年10月23日
- 裁判例最高裁判所第三小法廷 平成29年1月24日判決(平成28年(受)第1050号。民集71巻1号1頁)。裁判所「裁判例検索」で確認(確認の範囲:判示事項・裁判要旨のみ) https://www.courts.go.jp/hanrei/86454/detail2/index.html確認日:2026年10月23日
- 国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意-広告・勧誘と実際の講座内容が異なる、Web会議での思わぬ勧誘に気をつけましょう-」(2026年9月16日公表。PIO-NETの登録分で、消費生活センター等からの経由相談は含まない) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_3.html確認日:2026年10月23日
- 国民生活センター「就活生の不安につけ込むトラブル-Web会議で無料カウンセリング等を受けるだけのつもりが高額契約に-」(2023年5月17日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230517_1.html確認日:2026年10月23日
- 国民生活センター「情報商材」(各種相談の件数や傾向。2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/infoproducts.html確認日:2026年10月23日
- 国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況-PIO-NETより-」(2026年8月5日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260805_1.html確認日:2026年10月23日
- 条文規則45条(電話勧誘販売における書面の記載事項)、46条(書面の基準・赤枠・8ポイント)、47条(解除に関する事項の記載)、54条(契約締結時交付書面の記載事項) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000400089確認日:2026年10月23日
- 条文規則50条(電話勧誘販売の書面の電磁的方法による提供に当たっての承諾の取得) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000400089確認日:2026年10月23日
- 消費者庁通達の別添4「契約書面等に記載すべき事項の電磁的方法による提供に係るガイドライン」(令和6年5月15日付PDF) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms101_240515_01.pdf確認日:2026年10月23日
よくあるご質問
公式LINEでやり取りして、LINE上のフォームで申込みを受けるだけなら、通信販売ですか。
通話やビデオ通話、会場での勧誘がなく、メッセージだけで勧誘して申込みを受けるのであれば、通信販売です。通信販売にクーリング・オフはありませんが、広告の表示と最終確認画面の表示が必要です。途中でLINE通話や会議に誘う場面があれば、その分岐は電話勧誘販売になります。
DMで「相談だけ」と案内して通話に来てもらい、その場で講座を勧めるのは問題ですか。
勧誘が目的であることを告げずに電話をかけるよう要請する行為は、電話勧誘販売の入口を広げる政令の方法に当たりえます(令2条1号)。通話の案内に勧誘目的を書き、通話の冒頭でも改めて告げることが必要です。契約のために通話を求めた人への例外も、勧誘目的を隠して請求させた場合は働きません。
通話で断られたあと、DMで改めて案内を送ってもよいですか。
電話勧誘販売では、契約しない旨の意思を表示した人に対する勧誘が禁止されています(17条)。通話で断られた相手に、その契約の通話を再び促すDMは、この規定の観点から避ける必要があります。メールや携帯電話番号宛の広告には、別に承諾の規定があります(12条の3)。
クーリング・オフの通知がSNSのDMで届いたら、どうしますか。
電磁的記録による通知は法律上認められており、受付の方法を合理的な範囲で書面に示すことはできます。ただし、SNSで連絡を取っていたのにSNSでの通知を認めないといった不合理な限定は、無効になりえます。受け付けて、受付済みの連絡を返し、記録を残す運用を決めておきます。
SNSのインフルエンサーに紹介してもらう場合、類型はどうなりますか。
紹介された人が、通話や会場、メッセージのどれで勧誘と申込みを受けるかで類型が決まります。紹介の経路そのものは類型を決めません。紹介者への報酬の出し方によっては連鎖販売取引の検討が必要になるため、紹介報酬つき販売で確かめます。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、勧誘された場所や手段、申込みの方法、役務の内容と期間・金額、購入者の属性によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で2026年10月23日時点のものを確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 特定商取引法ガイド / 国民生活センター / 裁判所